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「留める」ポーズで、自分にふさわしい場所を確かめる【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】

自分を船としたら、どこに錨を下ろすかはとても重要なこととわかります。
安全・安心でいられる場所なのか、片足を床につけながら考えてみましょう。

撮影・森山祐子 構成&文・越川典子

〈留める〉“留まる場所があってこそ、人は自由でいられるの。”

肩で立つポーズ、皆さん、見たことがあるかもしれませんね。仰向けで両脚を頭の先に伸ばし(鋤のポーズ)、次に両脚を天井へと上げ、肩から腰、脚と一直線にするポーズなのですが、ここでは、片方の足先を床に残したまま、反対の脚を天井へ伸ばします。

イメージとしては、床につけた足は船の錨、アンカーです。アンカーをしっかり海底に下ろし、ここに「留まる」という決意をあらわしています。

考えてみてください。どこかに留まっているからこそ、カラダもココロも自由に動けるのではないでしょうか。アンカーを下ろす場所は、自分で決める。自分にとってそこがふさわしい場所なのか、望ましい場所なのか、確かめるために。そして、安心していられる場所なのか、安全でいられる場所なのか、も確かめるため。

今、心理的安全性という言葉が注目されています。1999年にハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授が提唱したもので、グーグルが社内の生産性向上を実践、証明したことでも有名ですね。自らの失敗や弱点を否定されることのない場。互いに尊重しながらのコミュニケーションが保証されている場のことです。職場だけでなく、家庭でも有効とされている心理的安全性をどう実現するか――このポーズをとりながら考える私です。

肩立ちのポーズ変形
肩立ちのポーズ変形

肩立ちのポーズ変形

「留める」ポーズで、自分にふさわしい場所を確かめる【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】

鋤のポーズ(参考)から片脚だけを上げ、腰からまっすぐ真上に伸ばします。手は床につけますが、難しい場合は腰に当てて、支えてください。そのまま深い呼吸で8秒。左右の脚を替えて行います。1日1回。

  • 高尾美穂

    高尾美穂 さん (たかお・みほ)

    産婦人科医

    イーク表参道副院長。婦人科スポーツドクター、産業医として、働く女性をサポート。『オトナ女子をラクにする心とからだの本』『人生たいていのことはどうにかなる』など著書多数。

『クロワッサン』1091号より

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