からだ

平野レミさんの元気の秘密とは? 肩甲骨をほぐすストレッチや体操と肩甲骨を固めない生活習慣。

肩甲骨が柔らかいと肩や首も楽になり心も安定。
平野レミさんが整形外科医の遠藤健司さんに肩甲骨をほぐす簡単なコツを教えてもらいました。
  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・サンダースタジオ 構成&文・片岡えり

平野レミさんの元気の秘密はココに。肩甲骨ほぐしで心も体ものびやかに。

「胸が開いて気持ちいい。 仕事中にもできそうね。」(右・平野レミさん)「座りっぱなしのときは頭の後ろに手を組んで。」(左・遠藤健司さん)

平野レミさん(以下、平野) せっかく整形外科の名医のお話を聞けるのに、私、肩や首のこりを感じたことがなくて。

遠藤健司さん(以下、遠藤) それは素晴らしい。厚労省の国民生活基礎調査では、日本女性の自覚症状でもっとも多いのが肩こり。男性も腰痛に次いで2位で、国民病といえるレベルです。

平野 病院で治せないんですか?

遠藤 疾病と関連のない肩こりは病気とは認められず、治療の対象ではないんです。だからつらさを抱えながら、あきらめている人が多いのが現状で……。

平野 肩こりの原因って何なんですか?

遠藤 ひとつは運動量が減り、筋力や血流が低下すること。
またパソコンやスマホの連用で頭が前に出る前傾姿勢が続き、首の負荷が増えること。小学生の肩こりも珍しくありません。
実は肩首の問題の根っこは肩甲骨にあります。肩や首を支える肩甲骨は上半身の司令塔。肩甲骨周りの筋肉が硬くなり可動域が狭くなると、肩や首、腕の動きが悪くなり、こりや痛みに。
そして意外なことに筋肉にとって最大の敵は、動かないデスクワークなんです。

“じっとしているのが苦手なの。 だから肩も首もこらないのかしら。”(レミさん)

平野 えっ!? たくさん歩いたり動いたりしたら疲れた〜と感じるけど、動かないのもよくないということ?

遠藤 そうなんです。体を動かした後は疲れの自覚があるから休もうとするけれど、デスクワーク=肉体労働という意識がないから頑張り続けてしまうし、体をいたわろうと思わないでしょう。それがいけない。長時間同じ体勢で座り続けると姿勢も悪くなり、筋肉にとって大きなダメージになります。

平野 私はデスクワークもほとんどしないし、子どもの頃からじっとしているのが苦手なの。動いているほうが楽。

遠藤 それこそ、肩がこらない一番の理由ですね。しかも、お見受けしたところアクションが大きい。無意識に筋肉をしっかり動かしています。

平野 エスカレーターより階段だし、家でも1階と2階を行ったり来たり。段ボールを開けるときも、料理の包丁で、全身を使ってエイヤ!って。

遠藤 さすが。本能的に体を動かさないと気持ちが悪いとわかっているんじゃないですかね。睡眠中も同じで、寝返りを打たずに同じ体勢で寝続けると、体重がかかる部分が圧迫されて血流が悪くなって水分が溜まり、むくんでしまう。更年期を過ぎてエストロゲンが減ると、むくみやすくなる傾向が。

嫌な人とは付き合わない。それも肩こりを感じない理由。

遠藤 運動はされていますか?

平野 天気が良ければお散歩もするけど、それも気分次第で日課にはしていません。一人になったら生活もでたらめで(笑)、やりたいことしかやっていないの。嫌な人とは付き合わないし。

遠藤 それもいいですね。ストレスが強いと交感神経が優位になり首や肩の筋肉の緊張が強くなったり、痛みの感覚が敏感になったり。心配性で生真面目な人ほど肩こりになりやすいです。

平野 悩んじゃダメ、自分中心が一番。でも肩がこる人はどうすればいいの?

遠藤 肩と首だけにアプローチするのではなく、固まった肩甲骨をゆるめて可動域を広げること。それを簡単にできる“肩甲骨ほぐし体操”(次ページ)を考えました。

平野 皆が大好きなマッサージは?

遠藤 強く叩いたり揉んだりすると筋肉が硬くなり、こりを招く悪循環に。

平野 注射1本で取れればいいのに! 結局、セルフケアが大事なんですね。

“動かない生活は、筋肉にとってダメージが大きいのです。”(遠藤さん)

大谷選手の活躍も柔らかな肩甲骨から。

遠藤 この体操は家でもオフィスでもできるし、お金もかかりません。肩甲骨の可動域が広くなると、肩や首が楽になるだけでなく、自律神経も整いやすく精神面も安定。大リーグの大谷選手の活躍も、人並み以上に柔らかい肩甲骨があってこそだと思っています。

平野 大谷選手大好き! 私ももっと動いて肩甲骨を柔らかくしなくちゃ。

遠藤 でも無理は禁物です。ゆっくり動かす、痛みがあるときは様子を見ながら、を守ってくださいね。

【肩甲骨の柔軟性チェック!】

壁に背中とかかとをつけて立ち、手の甲を上にして真横から上に上げていく。肩の高さを起点に、60度以上上げられたら合格。45〜60度は黄色信号。45度未満なら危険信号。肩甲骨が背中に張り付いている!

【首の角度と負荷の変化】

体重の約10%といわれる頭の重さ。50kgの体重なら5kg前後だが、 前傾が大きくなると負荷も増えていく。30度の傾斜で約3倍、60度で5倍以上の重さを首の後ろの筋肉と肩甲骨で支え続けることに。
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