からだ

つらいトレーニングも努力も無用。疲れ知らずの姿勢の作り方。

  • 撮影・中島慶子 スタイリング・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・横川莉那 イラストレーション・山口正児 文・板倉みきこ

【力みが解け、よい姿勢が身につく、〝魔法のフレーズ〟と〝おじぎ呼吸〟。】

〈 準備 〉全身の緊張を解く最重要ポイントを知る。

緊張を取って骨で立つのに一番大切なのが、背骨と頭蓋骨を接合させる関節、環椎後頭(かんついこうとう)関節だ。

「アレクサンダー・テクニークでも最重要視している部位です。ここが緊張せず、背骨と頭がお互いに自由な状態だと、頭、首、背骨、筋肉などが1つにつながり、骨で楽に立てるようになります」

今回紹介する2つの「魔法のフレーズ」を唱えれば、この関節がふんわりゆらぐように感じられる。関節の場所を下記で確認してから、メソッドを実践しよう。

首と頭の境目にある環椎後頭関節。約5〜6kgの重い頭をバランスを取りながら支えている。ここに正しく頭が載っていると首が安定する。

耳の穴前にある頬骨の出っ張りの下側キワ、左右両側から水平に頭の内側に進んだところ。正面から見ると鼻の頭の奥のほうに関節がある。

関節の位置を把握できるまでは、人差し指、中指、薬指の3本の指先で上記の場所を軽く押さえながら、魔法のフレーズを唱えよう。

[魔法のフレーズ 1]背骨の上に頭をふわっと載せる。

頭の内側、環椎後頭関節辺りに水面が広がり、小舟をそこに浮かばせる。重たい頭が首から離れて、上方向にふわふわ浮かぶイメージを描こう。

「重たい頭は、首や背中の筋肉を固定しても支えられません。また、悩みごとや嫌なことがあると、頭は緊張し、首回りは固まりがちです。頭が空にぷかぷかと浮かんだような心地になれば、自然と首の筋肉がゆるみ、頭が背骨の上にまっすぐ載るようになります。そうすると頭の重みから体が解放され、背骨や姿勢が伸びていきます」

[魔法のフレーズ 2]背骨が伸び、しなやかな動きを取り戻す。

続いては、頭の支配から背骨を解放させるためのフレーズ。背骨を鎖に変え、環椎後頭関節から尾てい骨まで伸ばし、下方向にゆらゆらと垂れ下がっている状況をイメージしよう。

「背骨は首から腰まで、棒のように固定されたものと誤解している人が多いんです。でも、背骨はまさに鎖のように椎骨が繋がってできていて、しなやかに動くもの。フレーズの1と2を続けて行うと、環椎後頭関節がふわっと楽になり、全身の力みが解けます」

[おじぎ呼吸]姿勢のゆらぎを呼吸に合わせて体感する。

最後に行うのが、吐く息で筋肉をふんわりゆるませ、吸う息で背骨がしっかり立つ、呼吸のゆらぎを感じる方法。

「普段も、無意識のうちに呼吸で姿勢を微妙に修正しているのですが、おじぎをしながら行うと、呼吸の動きに身を任せる感覚が掴みやすいんです」

呼吸と姿勢のゆらぎは、環椎後頭関節のゆらぎと相乗効果を生み、普段でも〝よい〟姿勢が保ちやすくなる。心身の緊張を感じた時は常に実践しよう。

(1)肩の力を抜き、胸の前で軽く両手を合わせる。稲穂がこうべを垂れるイメージで、吐く息に合わせておじぎする。重心が前(つま先)に行き、背骨は丸まり、目線が下がる。筋肉がふんわりとゆるまる。

(2)息を吐ききったら、吸いながら体を元に戻す。重心は後ろ(かかと)に移動。

(3)目線が上がり、遠くを見る。背骨はまっすぐ立ち上がり、骨で立つ感覚を感じて。1〜3を3回以上繰り返す。

大橋しん

大橋しん さん (おおはし・しん)

理学療法士

アレクサンダー・テクニーク国際認定教師。著書に『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)。

『クロワッサン』1066号より

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