たとえば肩が重い時に肩を揉んでも楽にならないことがある。それは不調の原因が患部そのものにはないから、と鍼灸マッサージ師・石垣英俊さん。
「東洋医学には、不調の原因を『時』 『地』 『人』と3つの要因から分析する考え方があります。天候や季節、時間など、外的な条件の『時』、自分が置かれた生活環境などを指す『地』、自分が持つ性質や遺伝から分類する『人』の3点から探っていくと、心身の不調の本当の原因が見えてくるんです」
特にこの1年は、ウイルス感染の不安や自然災害など、自分で制御できない「時」の要因がもたらす不調に悩まされる人が増えた。
「胸がつまる、肩がこる、倦怠感が続く。そんな代表的な不調を軽減するには、胸回りと背中を刺激し、深い呼吸ができる体に戻してあげること。今回は、道具を使わず自分でケアできる方法を紹介します。心身は表裏一体。体が緩むと心まで緩んでいくはずです」