なんという87歳! ポールダンスのポールを握り、ハイヒールで片脚立ちをしながら、いとも軽々と脚を上げているのは草笛光子さん。
「元気で悪かったわね(笑)。でも、明らかにステイホーム太りしちゃったの。以前の自分はもっとシャキッとしていたし、背筋もピンと伸びていた。それができなくなっているのが、すごく悔しい。ばかやろう! こんなものに負けてたまるかって。だから私、ここから生き直そうって決めたのね。やり直しに年齢は関係ないのよ」
まずは体を鍛え直す。もっとも草笛さんは70歳を過ぎてから15年以上もパーソナルトレーナーについて週1回、2時間のトレーニングを続けてきた。
「自粛生活で2カ月はお休みしたけど、その後は再開して続けています。でも、老いは億劫との戦いなの。その戦いにトレーナーも参戦してくれて、叱られながらやっています。いわば愛のムチ、私の怠け心を奮い立たせてくれるんです。ありがたいわね。それに死ぬときは人に迷惑をかけず、コロッと逝きたいから体は鍛えないとダメでしょ」
トレーニング内容はその日の草笛さんのコンディションで変わるが、必ずバランスボールで体の軸を整える。
「ごはんを食べるときもバランスボールに座って食べなさいって言われて、それは無理って思ったけれど、意外にできるのね。お行儀が悪いけどやってます」