からだ

長時間同じ姿勢はよくありません。背骨に悪い生活をしていませんか?

背骨が老化しやすい生活習慣があります。その中から代表的なものを紹介します。小さなことでも積み重なればそれなりのダメージに。暮らし方、動き方を見直すきっかけに。
鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
  • 撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓 イラストレーション/松元まり子

あなたは楽でも、背骨はつらい。

上には重い頭、下には腰と脚。そして内臓の保護。背骨なくしてヒトの体は成り立たない。背骨の役割を考えると「背骨はつらいよ」と、自分の背骨をいたわってあげたくなるのでは。日常の動作や姿勢に気をつけるだけでも、背骨に余計な負担をかけずにすむ。

長時間、同じ姿勢のままで居続けるのをやめよう。たとえばスマホをずっと使い続けることで肩と首が前に出て背中が丸まった姿勢がクセになっていたり、体の左右どちらかに重心が偏った姿勢を日常的に続けていると、それが「いつもの姿勢」になってしまう。ある筋肉は緊張が続き、別の筋肉はゆるみっぱなし。背骨にも負担がかかることになる。その結末、体にどんな不調が起きるのかは、お察しのとおり。

ヒトが無理なく動けるのは背骨の自然なS字カーブが保たれているとき。ここでは、その逆、背骨に優しくない暮らし方や動きを紹介。あてはまるものがあれば、すぐに改めよう。

「ソファに浅くだら~んと座っていませんか?」

ソファにだら~んと座っておいしいものを食べて、スマホをして……至福の時間だということは否定しませんが、長く座っているうちに、骨盤が寝てきて、背中が丸まって窮屈に……なんとか楽をしようと姿勢を変えた結果、背骨にはもっと過酷な状況に。1時間に1回は立ち上がって背骨リセットを習慣にしてみては。

「かばんを持つとき、 いつも同じ側の手で持っていませんか?」

バッグや荷物をいつも同じ側の手で持ったり、肩にかけたり、腕にかけている人はご用心。

荷物の重さに負けまいとする筋肉(拮抗(きっこう)筋)が働いて、一方の腕や背中の筋肉に負荷がかかります。写真に写った自分の姿を見て、どれも片方の肩が上がっているようならば、すでにその状態で筋肉が固まっている可能性があります。

バッグや荷物を持って歩く機会が多い人は、意識して左右持ち替えるようにしましょう。

「中腰のまま重いものを持ち上げていませんか?」

上半身だけで床のものを持ち上げようとする―これもキケンな姿勢です。この状態から物を持ち上げようとすると、腰椎にかかる負担が大きくなるからです。腰椎は前後に曲げる動作が得意だからやってしまいがちですが、腰を痛める引き金にもなりかねません。

かがむときは、背中や腰を丸めるのではなく、脚のつけ根、股関節から上体を曲げるようにしましょう。洗面所で顔を洗ったりしてかがむときにも、股関節からの動作を心がけましょう。

「振り向くときに、 首だけ回していませんか?」

振り向くときに動く骨が、頚椎です。回るのが得意ですが、振り向きっぱなしは禁物。体も振り向いたほうに向けるのが背骨のためには正解です。よくありがちなのが、テレビを見るときの姿勢。顔だけテレビに向けて体は別の方向を向いているというパターン。自分がいつも座る場所とテレビとの位置関係でそうなっているのならば、同じ姿勢の積み重ねが、やがて背骨への負担になっていきかねません。視聴位置の見直しを。

「いくら寝ても疲れがとれない気がしませんか?」

7時間は寝るように心がけているのに、寝た気がしない。いろいろな原因が考えられますが、枕が合っていない可能性があります。枕が高すぎても低すぎても、首や背中の筋肉に負担がかかります。これも背骨の老化を進める一因に。

背骨の自然なカーブを崩さない高さの枕を探してみては。

また、横を向いて寝る人は、常に背骨が曲がった状態になります。体に痛みがなければ、背骨のためには仰向けで寝ることをおすすめします。

石垣英俊

教えてくれたのは

石垣英俊 さん (いしがき・ひでとし)

鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師

静岡県出身。臨床家の父親に鍼灸治療を師事。体の痛みや不調に悩んでいる人へ、よりよい施術、環境、アドバイスを提供すべく研鑽を積んでいる。神楽坂ホリスティック・クーラ(R)代表。著書多数。

『Dr.クロワッサン 痛みとコリをすっと消す、自分でできる整体』(2020年4月28日発行)より。

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