もやもや、疲れ、億劫、不眠を断ち切る! ストレスを前向きに捉えるための5つのメソッド。
イラストレーション・佐々木一澄 文・石飛カノ
【メソッド1】 一日のうち2時間だけ、ココロの休息=自分時間を設ける。
ストレスによる不安を抱えている間じゅう、戦闘モードの交感神経はずっと優位な状態。それが慢性化すれば疲れてしまうのは当然のこと。だからこそ、自分の中でオンとオフの時間を作ることが大事、と吉野さん。
「とくに主婦業は朝起きてから夜寝るまでが長く、自分の時間を持ちづらい。だからこそ副交感神経を優位にする休息の時間が必要です。たとえば一日3食作るのではなく、朝食を作るときに昼の分の簡単なお弁当を作ってしまう。午後の2時から4時までは自分の時間、と区切ってやりたいことをやるなど、意識して休息の時間を設けましょう」
リモートワークで夫が四六時中家にいるという人は、自分だけサボっていると思われないか、不安になるかもしれない。しかし、「休息」=「サボる」ではない。休息はその後、いいパフォーマンスを出すための切り替えの時間と捉えて、堂々と自分時間を満喫すること。
【メソッド2】定時に起きて定時に寝る。毎日のルーティンを整える。
ストレスを前向きに捉えるには、まず生活する上でのルーティンを整えることが鉄則。
「まわりがザワザワしても自分は変わらない、という意識が大事です。まわりの情勢に流されて全部に対応しようとすると、疲れてしまいます。だから、ここだけは譲れないという部分を維持するのはとても重要なことです」
自分で自分をコントロールしているという感覚を持てば、多少のストレスが降り掛かってきても動じることはなくなるという。
「一番簡単に自己コントロール感を得られる方法は、決まった時間に起きて決まった時間に寝ること。当たり前のことのようですが、世の中が変わっても自分は自分のやるべきことをやる、というルーティンを持つと精神的にタフになれます。また、朝決まった時間に太陽の光を浴びることで、不眠の改善にも繋がります」
早速、明日から実践を。
【メソッド3】一日に1回は外出する機会を作る。
ランニングや習い事など、これまで組み立ててきたストレス対処のリズムが崩れがちな梅雨。ずっと家の中にいることで億劫な気分はさらに増すばかり。
まして、リモートワークで夫が自宅にいるという場合ならなおさら。家の中で過ごすにしても、これまでは午前に家事をして、午後に好きなドラマを見る時間があったとすれば、そのリズムさえ崩れてしまう。
「空間的にも時間的にも気持ちの切り替えができなくなり、生活のメリハリがなくなってしまいます。この状況に対処するためにも、一日1回は外出する機会を作ることをおすすめします。雨の日でも外に出れば、屋内の照明より明るい光を浴びることができます。メラトニンの分泌が充分に促され、睡眠のリズムも整ってくるはずです」
買い物や散歩で一日1回、できれば同じ時間帯に外出する習慣を作って、リフレッシュ。
【メソッド4】人間関係から解放されて、自分だけの楽しみを探す。
ステイホームによる相手が見えない環境。これは裏を返せば、ときに煩わしく思える人間関係から解放されたということ。
「たとえば習い事は、技術を磨くだけでなく、その後の仲間とのお茶の時間も含めての習い事。集団のコミュニケーションは不安の解消になりますが、一方で対面特有の細かい人間関係のストレスもあります。そこから解放された今だからこその楽しみを、自分の中で考え直してみるチャンスと考えられます」
これまで興味はあったけれど、今一歩踏み込めなかった新しい習い事にオンラインで参加してみる。動画での料理教室や語学のレッスン、エクササイズ、楽器の演奏などなど。
自分だけが取り残された感覚に囚われる前に、もっと自由に発想を広げた先にある楽しみを見つけて、ストレスを上手に逃がす工夫を。
【メソッド5】ダイエットに挑戦して自己制御の力をつける。
世の中が浮かれるイベントを前に憂うつになりやすい人も、今、自分ができる努力をすることで、不安感を減らすことができるという。
「梅雨という時季と自粛生活が重なって、今はトンネルの中にいるような感覚を持っている人も多いと思います。でも、トンネルの先の光を見ることは大事。先の楽しみのための準備をしておくのも、今だからこそできることです」
その準備として最もおすすめなのがダイエット。お付き合いの外食やホームパーティといった不確定要素がなくなった今、これほどダイエットに最適なタイミングはないといってもいい。
「結果が少しでも出れば、自分で自分を制御している感覚が得られます。自己コントロール感が高まれば、まわりがどんなに騒がしくなっても、翻弄されにくくなるはずです」
『クロワッサン』1047号より