臓器周りの筋肉を刺激、「ほぐピラ」でむくみを解決。
撮影・中島慶子 スタイリング・高島聖子 ヘア&メイク・木下庸子(プラントオパール) モデル・くらさわかずえ
筋肉や筋膜を、ストレッチやマッサージでゆるめて「ほぐし」ながら、同時に深層の筋肉を鍛える「ピラティス」を組み合わせたのが「ほぐピラ」。パーソナルトレーナーの星野由香さんが考案した、独自のメソッドだ。
「ピラティスで筋力を鍛え、しなやかに動ける体を維持していくのはとても大事なことですが、現代人の体のほとんどが、まず鍛えられる状態にありません。運動不足や間違った体の使い方を続けることで、筋肉や筋膜が固まり、衰えているからです。まずはこわばりやコリをほぐしてから鍛えると、体が整い、動かしやすくなっていきます」
ほぐす際、特に重要なのが筋膜。筋肉、骨、臓器、神経、血管など、体じゅうのすべてを包み込みながら繋がり、それぞれの位置を保つ膜のことだ。
「姿勢の悪さなどで、ある箇所の筋膜がねじれて固まると、体の繋がりが悪くなって筋肉が衰えたり、ボディラインが崩れます。同時に血流が悪化するなど、体調不良も招いてしまうのです」
そこで今回、女性のお悩みで特に多い、冷え、倦怠感、ほてり、むくみの4大悩みを解消し、心身を美しく健康に整える「ほぐピラ」メニューを考案してもらうことに。
「実は、筋肉の動きが悪くなっているところは、内臓の不調や自律神経の乱れに深く関わっています。私がこれまで学んだ解剖学的な考えと、西洋医学や東洋医学の観点を取り入れた方法は、不調改善にもアプローチできます」
効果的にほぐすため、ローラーを使うのが星野さん流。
「道具を使うと、硬い筋肉や筋膜を効率よくほぐせて、日によって異なるコリやハリ具合など、体の変化にも気づきやすくなるんです。まずは手作りローラーで、気軽に始めてみましょう」
手作りローラーで気軽にスタート。
フェイスタオル2枚、ラップの芯、ゴムを用意。ラップの芯にフェイスタオル2枚を重ねて巻きつけ、数カ所をゴムできつめに留め、ローラーに凹凸を作る。直径は10cm以上になるように。太いほど負荷が軽くなる。
完成した手作りのタオルローラー。凹凸をつけることが大切。
【ここではこれを使用】
表面に施された、親指の形に似た突起が筋肉の奥まで刺激し、深部のコリをほぐしてくれる。
『クロワッサン』1047号より