暮らしに役立つ、知恵がある。

 

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

文・宮田文郎 イラストレーション・山下カヨコ 撮影・岩本慶三

呼吸・気功健康法

姿勢と吐く息を意識した呼吸法で疲れた体と心をメンテナンス。

\3時半起床。 生涯、医師として働きます!/
\3時半起床。 生涯、医師として働きます!/

帯津良一さんのタイムスケジュール

【3:30】起床、原稿執筆・校正など
【5:00】出勤、原稿執筆、手紙やFAXの返信
【7:30】気功の会
【8:00】朝食
【8:30】回診準備
【9:00】回診
【10:00】ホメオパシーの診断
【11:30】昼食・休憩
【14:00】特別外来
【16:30】養生塾(気功指導など)
【18:00】晩酌(夕食)
【20:00】帰宅、入浴・ニュース視聴・電話など
【21:30】就寝

ドクター帯津健康法(1)長年欠かさない毎朝の気功で足腰を鍛えて、動ける体に。

【天の気を引き込む×3回】

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

1.足を肩幅に開き、膝は軽くゆるめる。息を吸いながら両腕を広げゆっくりと頭上へ。

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

2.頭上で両手を縦に並べ、親指と小指を絡める。女性は左手、男性は右手を前に。

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

3.息を吐きながら膝を沈め、両手を下へ。胸の前で手を解き、脚の側面に。膝も戻す。

83歳を迎えても元気そのもの。秘訣は朝の気功と夜の酒。

体だけでなく心も対象とした医療を実践する帯津良一さん。高血圧や痛風はあるものの「日常生活に支障はありません。つねに胸に熱いものがあれば、”わたしは健康だ”と言えます」とキッパリ。

自身の健康法を江戸時代の俳人・山口素堂(そどう)の句をもじり「目には青葉 朝の気功に 夜の酒 時々女 ハグは毎日」と短歌で表現します。

病気予防より生命力を高める養生に重点が置かれ、旬の食を意味する「目には青葉」からハグまで、心ときめくものが並びます。

「理想は死ぬまで医師として働き、日銭を稼いで晩酌をすること。それには足腰が衰えないことが大事」と語る通り、40年にわたって気功で鍛えたたくましい体。

気功は病院でも患者さんの癒やしのために導入しています。内面の状態を正し、自然治癒力を高めることが養生につながります。

【大地の気を引き込む×3回】

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

1.息を吸いながら大地の気をすくい、顔の前で掌を返し頭上へ。息をいっぱいに吸う。

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

2.膝を沈めて息を吐きながら、頭上から両腕を下ろす。1度目は左手の甲を見つめる。

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

3.腕を脚の側面まで下ろす。息を吐き終われば、視線は正面へ。膝も元に戻す。

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

4.3回行って大地の気を取り込む。腕を下ろす際の視線は2度目が右手甲、3度目が正面で上から下へ。

下半身強化や平衡感覚維持、日常のストレス解消にも。

気功はなぜ足腰によいのでしょう。「気功の基本姿勢は、上半身の力が抜け、下半身に力がみなぎった上虚下実の状態。重心の移動が足腰に効くのです」。

体のバランスをとるので、平衡感覚を保つ小脳の働きを衰えさせない効果もあるとか。

また、日頃のストレスによって交感神経が高まっている場合、時々副交感神経を優位にさせてバランスを取り戻す必要があります。

「そのために最もよいのが呼吸法をはじめとした気功」。心のメンテナンスが必要な現代社会にぴったりな健康法なのです。

平日は診療、土日は講演など精力的に働く。
平日は診療、土日は講演など精力的に働く。

【天と大地の気を体に巡らせる×左右2回ずつ】

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

1.天の気と大地の気を体に行き渡らせる。息を吸いながら左右の掌を引き上げる。

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

2.肩の高さで掌を返し、右腕を左腕の上に。息を吐きつつ膝を沈め、上半身を左へ。

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

3.息を吐きながら上半身を左へねじり、左肘は後方へ。(2度目は2、3の左右を反対で)

ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

4.息を吸って体を正面へ。次に息を吐いて両腕を下げ、膝も戻す。計2セット行う。

吐く息と重心を意識した呼吸法でリラックス。

気功といえば太極拳が代表的ですが、今回は初心者でも実践しやすい呼吸法「時空」を教えてもらいました。

時空は、以前からある気功と呼吸法を組み合わせて帯津さんが考案したもの。全6パートあり、今回紹介するのは天地の気を取り入れ、体内に巡らせる過程です。

「姿勢の基本は上虚下実。肩の力が抜けていること、丹田、腰、脚、足の裏に重心が収まることを意識してください。呼吸で大事なのは吐く息です。“吐くぞー”と意識することで、副交感神経が高まります」とアドバイス。

時間帯は、朝昼晩、いつでも大丈夫です。大空と大地からのエネルギーが体じゅうを巡り、リラックスモードの副交感神経の働きで、血液の循環もよくなる……そんなことをイメージしながら、ゆっくりとやってみましょう。

  • 帯津良一

    お話を伺ったのは

    帯津良一 さん (おびつ・りょういち)

    日本ホリスティック医学協会名誉会長、日本ホメオパシー医学会理事長、医学博士。

    1936年生まれ。82年に設立した帯津三敬病院などで、西洋医学に中国医学や気功といった代替医療を組み合わせた、ホリスティック医学を実践している。帯津三敬病院名誉院長、帯津三敬塾クリニック主宰。
    ●帯津三敬病院/埼玉県川越市大字中居545 TEL.049-235-1981
    https://www.obitsusankei.or.jp

『Dr.クロワッサン あなたも、すぐできる! 名医の健康法』(2019年9月28日発行)より。

  1. HOME
  2. からだ
  3. ホリスティック医学を実践する医師・帯津良一さんの「呼吸・気功健康法」。

人気ランキング

  • 最 新
  • 週 間
  • 月 間

注目の記事

編集部のイチオシ!

オススメの連載