からだ

パン・ウェイさんに教わる、自然の変化に寄り添う五季五色のおかず。

季節が変われば体も変わる、自然の変化に寄り添うおかず。
  • 撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり

季節の変わり目の土用、この時季の対策が肝要。

毎日5つの色(白、赤、黄、黒、緑)の食材を食べているというパンさん(⇒参考記事)だが、実は季節の移り変わりに応じても、5色の食材がある(下図参照)。

【五季五色とは】

●黄色の食材
カボチャ、ジャガイモ、食用菊、ニンジンなど

●春の食材
ニラ、キャベツ、山菜、青菜、セロリ、青ジソなど

●夏の食材
トマト、クコの実、マグロ、牛肉や豚肉の赤身など

●秋の食材
大根、白菜、カブ、里芋、鶏肉、白身魚、エビ、イカなど

●冬の食材
キノコ類、キクラゲ、ゴボウ、昆布、のり、黒ゴマなど

「五季五色といいますが、春夏秋冬に季節の変わり目になる土用を加えて季節を五季としています。中国古来の考え方ですが、立春、立夏、立秋、立冬の直前それぞれ約18日間が土用です。日本では『土用の丑の日』が有名ですよね。この五季に合わせて、食べるとよいのが五色の食材です。この食材を意識して食べることで体調を整えることができるんです」

春は体が動き出し、冬の間にたまった体の毒素を排出するために肝臓に負担がかかってくる。

「ほうれん草などの葉物野菜や山菜といった緑の食材が、肝臓の解毒を助けてくれます。夏は暑くなって心臓に負担がかかりやすくなるので、トマトやクコの実、スイカなど赤い食材が血を補って整え、心臓の働きを助けてくれます」

秋は乾燥の季節が始まり、肺が影響を受けやすくなる。大根や梨、茄子(なす)、白木耳(しろきくらげ)などの白い食材で体の中を潤していく。

「冬は腎がエネルギーを蓄えますが、寒さで弱りがちなので、腎を補う黒木耳、黒ゴマ、海苔など黒の食材が、血を増やして血行をよくしてくれます」

これに季節の変わり目の土用が入ってくるが、いちばん体調を崩しやすい時季でもある。

「季節の変化に体がついていけないんですよね。土用には黄色の食材が弱った体をサポートしてくれて、粘膜を保護して炎症を防いでくれます。年4回ある土用は黄色い食材を食べて、体調を整えてください」

四季折々の豊かな食材を上手に取り入れていきたい。

パン・ウェイ

パン・ウェイ さん

料理研究家

中国・北京生まれ。季節と体をテーマに四季に沿った食生活を提唱し、現在は東京・代々木公園スタジオにて料理教室を主宰。著書に『毎日からだを調える中華スープ』(誠文堂新光社)など。

『Dr.クロワッサン 不調が消える、ふだん漢方』(2020年1月28日発行)より。

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