からだ

美容室での上手なオーダー方法から気になるマナーまで。似合う髪型を見つけるための秘策とは。

  • 撮影・黒川ひろみ、谷 尚樹 イラストレーション・山下カヨコ 文・黒澤 彩

美容師さんを惑わすNGワードに 気をつけよう。

「その用語の使い方、間違ってます!」とは言いづらい。

髪型にまつわる用語は、プロと一般の人とで認識が異なる場合が多いのだそう。

「『レイヤー』と言っているけど、本当は軽くしたいのかな? などと推察するのに苦労します。なんとなく聞いたことがあるだけで正しく理解していない専門用語は、使わないほうが無難です」(村松さん)

「『ナチュラルな感じ』『モードっぽく』などの曖昧な言葉も、お互いに思い描くイメージが一致しているとはかぎらないので要注意です」(長谷部さん)

ちゃんと伝えたつもりでも、蓋を開けてみたら思っていた仕上がりとまったく違うという事態にもなりかねない。この点からも、オーダーの際には写真などビジュアルを共有するほうが安心というわけだ。

[半端な専門用語を使うべからず]

同じ店でスタイリストさんを変える問題について考える。

こっそり変えると、気まずさ倍増。

同じ店で担当を変えたら、なんだかものすごく気まずくなってしまうのでは?

「もちろん、スタイリストを変えるのは自由です。マナー違反なんてことはありませんし、気まずくならないようにこちらから挨拶します。ただ、何も告げずに変えられると、自分がカットした仕上がりに不満だったのかな、などと多少は気になります(笑)」(村松さん)。

大人同士なのだから、無言でスルーするのは考えもの。担当を変える旨をひと言伝えたうえで、その後も挨拶を交わすなどの関係を維持したい。

「素直に『気分を変えたいから』『違う人にもお願いしてみたい』と言ってくれるとありがたいです」(長谷部さん)

[笑顔で挨拶、いつも大人の関係を]

自分がしたい髪型と美容師さんの薦める髪型に、違いがあったら?

自分の定番だった髪型が、いつしか似合わなくなる不思議。

年齢を重ねるにつれ、髪型で冒険するより〝いつもどおり〟を望む人も多いのでは?

「同じスタイルが好きという人に無理強いはしませんけど、毎回何かしらアイデアを出すのがプロの仕事。激変するのは嫌でも、少しずつ変えていきたいと思っている人は意外と多いので、長いスパンでの提案をするようにしています」(長谷部さん)

美容師さんとの間に信頼関係があれば、新しい髪型も抵抗なく受け入れられそう。

「長く担当させてもらえると、その人の好みも髪質もよく分かっているので、より自信を持って薦めやすいですね。年齢とともに髪質や毛量が変わるので、それを踏まえた提案もしていきます」(村松さん)

客観的なプロの見立てを信頼しよう。

[百戦錬磨のプロの意見は値千金]

美容師さんの仕事を邪魔する、あなたのこんな悪い癖。

当然ながら、正面を向いて座ろう。

カットしてもらっているあいだ、こちらにできることは美容師さんが切りづらくないように協力することくらい。

「雑誌を立てて読む人がたまにいるのですが、そうすると顔が隠れてしまって鏡に映らないので、雑誌は寝かせて読んでいただけると助かります」(長谷部さん)

「雑誌に集中しすぎてずっと下を向いたままになってしまう人もいますね。あと、行動ではなく服装の話になりますが、折り込めないデザインのタートルネック、フード付きのパーカーなども避けてもらえるといいかなと思います」(村松さん)

あの人、いつも切りにくい……、と思われないように気をつけよう。

[切りにくい服を着てはいけない]

長谷部しのぶ

お話を伺ったのは

長谷部しのぶ さん (はせべ・しのぶ)

『アンフルラージュ青山』 ディレクター

美容師歴22年。「マスクが欠かせないこの冬は、短めのパーマスタイルや、ぎゅっと結べる髪型もいいと思います」

村松栄一

お話を伺ったのは

村松栄一 さん (むらまつ・えいいち)

『BEAUTRIUM PENINSULA』 店長

美容師歴21年。「首元にマフラーなどを巻くので、実は秋冬こそショートやショートボブがおすすめです」

『クロワッサン』1033号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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