ウイルス感染対策として、免疫力に関する様々な情報が発信される昨今。
「免疫力を上げることばかりに目がいきがちですが、実は、下げずに維持することもとても重要なんです」(女子栄養大学栄養学部教授・上西一弘さん)
ストレスや疲労、睡眠不足に運動不足など、免疫力の低下の原因はいろいろと考えられるが、日々免疫力を維持するために、最も効果的で誰でもできる方法は、食生活に着目することだ。
「体のエネルギー源となるタンパク質、脂質、炭水化物をしっかり摂る、バランスのとれた食事がベースとなります。これを当たり前に思うかもしれませんが、実は高齢になるほど、タンパク質や脂質不足の食事になりやすく、栄養不足の食生活を続けている人が多いのです。その結果痩せて虚弱になり、免疫力低下の悪循環に陥ることがあります。また、ダイエットのために炭水化物を抜く人がいますが、逆にタンパク質や脂質が過多になり、バランスが崩れるのでオススメしません」
エネルギーをバランス良く摂る食事の指標に、PFCバランスというものがある(下記円グラフ参照)。タンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)を理想の割合で摂る食事を心がければ、適切な体重を維持できるといわれている。