疲労回復、元気の維持。入浴と就寝前の過ごし方で睡眠を制す。
イラストレーション・谷本ヨーコ 文・板倉みきこ
【就寝時に】
快適に眠れる室温は26度以下、湿度は50〜60%とされる。腹部は冷やさないよう注意し、タイマーを使いながらエアコンと上手に付き合いたい。内臓の休息時間になる深い眠りを、しっかり取れるよう心がけて。
就寝前の歯磨きでは、舌苔取りも行う
インドの生命科学アーユルヴェーダは、予防医学に関わる実践法が豊富。中でも、消化力改善に効果があるのが舌苔(ぜったい)取り。「舌苔は体内の未消化物と考えます。寝る前の舌のチェックと掃除を習慣に。ただ、口腔内の自浄力が落ちるので摂りすぎには注意。専用の器具で優しく行いましょう」(平賀さん)
快適な眠りの空間を香りで整える
嗅覚は五感の中で唯一脳に直結しているので、香りの演出効果はとても高い。「緊張をほぐす柑橘系のアロマはリラックスに最適。寝る前に髪の毛に少し吹きかけるといいですよ。また、ミントの香りを寝室や寝具などにスプレーしておくと、実際の温度より涼しく感じられます」(烏山さん)
睡眠時間をファスティングに利用する
睡眠中は胃腸が休み、回復するための時間。「睡眠をファスティング(断食)に利用するのも手。食べない時間を長めにとり、臓器を緩やかなストレス下に置くことで、活性化させる間欠的ファスティングです。取り入れやすいのは16時間。睡眠を長時間とれば、比較的気軽に実践できます」(山崎さん)
烏山ますみ(からすやま・ますみ)さん●女性ホルモンバランスプランナー(R)。『アロマ&エステティックICHIKA.』代表。女性の心身のサポートを目指し、女性ホルモンの理解を一般に広める活動にも従事。
平賀きょう子(ひらが・きょうこ)さん●呼吸ヨガ(R)創始者。ヨガ指導者の育成、小学校や高齢者施設、心療内科などでのヨガ指導に力を注ぐ。日々に役立つアーユルヴェーダの知恵も発信。
山崎まいこ(やまざき・まいこ)さん●医師。「まいこホリスティックスキンクリニック」院長。肌と心のバランスに着目し、栄養学にも精通。内外からのケアを提案する。
『クロワッサン』1023号より