老化はここからやってくる!? 股関節は、動き次第で柔らかく。
撮影・青木和義 イラストレーション・梶谷牧子 文・重信 綾
村山 巧(たくみ)さん:柔軟美トレーナー。1984年生まれ。全国で柔軟クラスを開催。著書に『カラダを柔らかくしてあらゆる悩みを解決! 超速効ストレッチ』(マガジンハウス)など。
股関節シスターズ:とにかく体が硬い、ライターSと編集F。運動不足と加齢のせいか、以前に増してつらい体のコリや脚のむくみに悩み中。階段で脚がうまく上がらないこともしばしば。
もともとはかなり硬い体の持ち主であったにもかかわらず、27歳の時に趣味でアイススケートを始めたことから体の柔軟性の大切さに開眼、今や人気トレーナーとして活躍している村山巧さん。そんな彼が、「人の動作に深く関わる、実はとても重要な場所」と話すのが、股関節だ。
村山巧さん(以下、村山) 股関節は、人の体の中で最も大きな関節であり、立つ、歩く、座る、走る、ジャンプするといった、日常の基本動作を担っている大事な部位です。体を安定させるという役割も果たしているんですよ。
シスターズ へぇ~! 私たちがアクティブに動けるのは、股関節のおかげなんですね。
負荷のかかる股関節をほぐし、鍛えることが大事。
村山 でも、その分、股関節にかかる負荷は大きくもあります。歩行時には体重の約3倍以上、階段の上り下りでは約4~5倍もの力がかかるといわれるくらいですから。そんな股関節を支え、サポートしているのが、股関節周りの筋肉。体の安定性を保ったまま、前後や外側に脚を振り上げたり、回したりといろいろな方向に動かせるのは、股関節周りの筋肉が作用しているからです。
シスターズ なるほど。股関節自体が動くのではなく、筋肉が動かしているんですね。
村山 お尻にある大臀筋、太ももの内側と外にある筋肉が、主に働いています。でも、これらの筋肉が凝り固まったり、衰えたりすることで、股関節の動きが悪くなってしまいます。
シスターズ 私たちも、開脚ができなくなったりするなど、昔にくらべて股関節の可動域が狭くなったように感じるのですが、加齢も原因の一つでしょうか?
村山 はい。残念ながら年齢を重ねると、どうしても筋肉は落ちてきます。筋トレをしないと、股関節周りの筋肉も衰えてしまうんですね。もちろん、運動不足もよくありません。そうして筋力が低下し、股関節周りの可動域が狭くなると動作に制限がかかり、結果、階段の上り下りなどのパフォーマンスも下がります。
シスターズ 心当たりしかないです……。やたら階段でつまずきやすくなったのも、筋力不足が原因だったんですね。
村山 血流も悪くなるため、むくみや冷えにもつながります。
シスターズ 全部、当てはまります。
ローラーがあると効き目がアップ。
広告