「透明感」という言葉はこの人のためにあるのかもしれない。清潔感あふれるクリーム色の肌はもちろん、笑ったり、指を組んだりといった、ふとした表情やしぐさからも、ふわりと透明感が漂う。その背景にあるものを探ってみると……。
「体の変化は自覚していますよ。20代後半、仕事が忙しかった時期に、調子が変わってきて。徹夜とまではいかないまでも大変な撮影が続いたとき、疲れから抜け出すのに時間がかかると感じるようになりました」と常盤貴子さんは振り返る。
それを乗り越えた秘訣を尋ねてみると、答えは意外にも、そしてシンプルにも「睡眠」。
「私、もともと寝るのが大好きなんですよ。休みの日は無理に活動的にするよりも、寝ることが今の私にはいちばん大切だと思って、もう心ゆくまで寝るというか。放っておいたら、12時間は寝てしまいますね。眠っている間に、“小人”が自分を治してくれているイメージです」
長く眠ることができる=若い証しというが、年齢に伴って、どうしても人は眠りが浅くなり、睡眠の質も落ちていくもの。ところが、
「心配事で寝られなくなるということもないんです。私、寝れば大抵どうにかなると思っているから(笑)。今日は寝つきが悪いかなと思ったら、あったかいアイマスクをするとか、好きな香りのルームスプレーを使うとか、楽しめることがいっぱいある。以前、ある人が、『寝られなくて死んだ人はいない』と言ったのも心に残っていて」
ある種楽天的な、こだわりすぎない考え方は、日々のスキンケアにも表れている。
「私、朝のケアは、全然真面目じゃないんです。洗顔したくないんですよ。面倒だから、ホットタオルか、拭き取るだけ。昔、野際陽子さんとその話で盛り上がったんですけれども、野際さんも顔洗うのが大嫌いで、お会いするたびに、『まだ洗っていませんか』って確認していました(笑)。でも、結果的に洗わないほうが、肌の調子はいい気がします」
むろん化粧水やクリームなどの「与えるケア」はきちんと行うが、過保護にはしない主義。与えすぎると、肌もなまけてしまいそうと考えているからだ。
「今、家でガーデニングをしているのですが、植物を見ていても、水のあげすぎはよくない、あげればいいってものじゃない。肌も同じです」