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肌がカサついて困っている時に。旬の野菜たっぷりの献立【週末肌養生ごはんのレシピ】

肌の調子がいまひとつ……というならこの週末は、穀物や野菜が中心のリトリート(回復)食を。胃腸を休めて肌をいたわる献立を教わりました。
  • 撮影・黒川ひろみ 文・新田草子 食材提供・ビオ・マルシェ 撮影協力・日々器

カサついて困っている

肌や肺を乾燥から守るとされるれんこんと大根を、辛みを利かせた合わせ味噌と一緒に食べ応えのある丼に。紅芯大根は、なければ普通の大根でもOK。一緒に炒めるブロッコリーは、芯もムダにせず漬物に。汁物には手軽に摂れる海藻、海苔をたっぷりと加えて。

●紅芯大根とれんこん、ブロッコリーの辛味噌丼

【材料(2人分)】
紅芯大根(または赤大根)60g
れんこん 1/3節(60g)
ブロッコリー 1/3個(60g)
好みの油(なたね油など)・塩 各適量
A[白味噌大さじ2、麦味噌大さじ1、豆板醤・しょうゆ 各少々]
炊きたてのご飯 2膳
スプラウト 適宜
たくあん(市販品)・ブロッコリーの芯のしょうゆ漬け(下記参照)各適量

【作り方】
1.紅芯大根とれんこんは皮ごと大きめの乱切りにし、ブロッコリーは小房に分ける。
2.フライパンに油少々を熱し、紅芯大根を炒める。火が通ったら取り出し、塩少々を振る。れんこんとブロッコリーも同じように炒める。
3.小さなボウルにAと水小さじ1/2を入れてよく混ぜ合わせる。
4.ご飯を器に盛り、3の辛味噌を塗り広げて、2の野菜を盛りつける。好みでスプラウトをのせる。食べやすく切ったブロッコリーの芯のしょうゆ漬けとたくあんを添える。

●しめじと海苔のしょうが風味スープ

【材料(2人分)】
長ねぎ 1/2本(50g)
しめじ 1/4パック(25g)
焼き海苔 1枚
出汁(または水)400ml
塩 小さじ1/2
しょうゆ 小さじ1/4
しょうが(すりおろし)小さじ1/2
深煎り胡麻油 適宜

【作り方】
1.長ねぎは1cm幅の斜め切りにし、しめじは石突きを取ってほぐす。
2.鍋に1を入れ、出汁50mlを加えて中火で煮る。火が通ったら残りの出汁を加えて強火にし、煮立ったら火を止める。
3.塩としょうゆ、おろししょうがを加え、手で大きめにちぎった焼き海苔を加える。器によそい、好みで深煎り胡麻油をたらす。

●ブロッコリーの芯のしょうゆ漬け

【作り方】
ブロッコリーの芯1本の硬い皮をそぎ落とし、縦半分に切る。保存容器に重ならないように並べ、高さの2/3が浸る量のしょうゆを注ぐ。時々上下を返し、半日〜ひと晩漬ける。冷蔵庫で1週間保存可能。

穀物菜食の週末肌養生ごはん

「肌は内臓の状態を映す鏡のようなもの。肌にトラブルがある時は、内臓も疲れているのです。消化に負担がかからない穀物と野菜中心の食事で、胃腸を休めてみてください。腸内の働きが整うことで体内の循環が良くなり、肌も次第に元気を取り戻しますよ」

とは、菜食料理研究家の野本弥生さん。自身も40代手前の十数年前、多忙を極めた会社員時代に長野県安曇野市のリトリート宿泊施設で穀物菜食と出合い、心身の変化を実感した。

「出されたのは玄米ご飯と、根菜の煮物や漬物。見た目は地味でしたが、ゆっくりと噛んで食べたらおいしくて。少量でも満足感があって、たくさん食べたくならないことも新鮮でした」

何より翌日の、体が軽くなって思考がクリアになる感覚に驚いたという。

「以来、休みが取れると安曇野に通うという生活に。仕事に忙殺されてストレスが溜まっていた頃は肌の状態も悪くて、鏡に映る老けた自分にぎょっとしたこともありましたが、気づけばそんな悩みもなくなっていました」

野菜は無農薬や低農薬のものを、皮や茎も丸ごと使うことが多い。

やがて、退職を機にリトリート宿泊施設のスタッフとして働くことに。厨房の要として、味わいも見た目も楽しいメニューを提案し、利用者から厚い信頼を得るようになる。現在は独立し、移住した安曇野を中心に全国各地でリトリートや料理教室を開き、穀物菜食の魅力を伝えている。

野本さんの考え方はシンプルだ。

「まずは腸を元気にすることが大事。根菜や海藻、発酵食品を摂りながら、お腹が温まる汁物を。本当に疲れているときは無理に食べず、お吸い物や葛湯だけで胃腸を労るのも一案です」

野本さんが暮らす安曇野。水も農作物も豊か、くつろげる温泉も多い。

今回、肌の悩み別に提案してもらったメニューはどれも滋味深く、体にしみるおいしさだ。

「忙しい人ほど自分のことは後回しにしがち。時間のある週末に、心と肌を養生する気持ちでゆったりと作り、楽しんでもらえたらうれしいです」

不定期開催の「安曇野リトリート」の様子。野本さん心づくしの食事と、森林の散歩などを思い思いに楽しむ。

(肌養生ごはんのコツ)

●基本の調味料は良い素材のものを。

●出汁は昆布+椎茸の水出しで。

●味噌やきのこ、ナッツでうまみと食感をプラス。

野菜の繊細な持ち味を生かすために、調味料は天然素材で作られたものがおすすめ。煮物やスープは水で作っても充分おいしいが、昆布としいたけの出汁を使えばさらに風味がアップ。もの足りなく感じる時は、きのこや味噌、ナッツなどを上手に使ってメリハリをつけるとよい。

調味料は、しょうゆや酢、油、味噌など基本のものをそろえれば充分。野本さんは梅酢も常備。「香りが良く重宝します。白湯に少し垂らして飲むのも、体が温まって元気になり、おすすめです」
野本弥生

野本弥生 さん (のもと・やよい)

菜食料理研究家

2005年より長野県の『ホリスティックリトリート 穂高養生園』に15年勤務後、独立。近著に『心・体においしく わたしを救ける一汁一飯 ご自愛レシピ』(WAVE出版)。

『クロワッサン』1088号より

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