食事だけでなく「1杯のお茶でも立派な薬膳になります」と麻木さん。
「紅茶やプーアール茶など発酵度が高いお茶ほどカラダを温めるとされているので、冬におすすめ。反対に発酵度の低い緑茶はカラダを冷ますので夏におすすめです。その中間のウーロン茶は通年。そこに自分の好みのハーブやフルーツを足していただきます」
たとえばこの時季、緑茶に脱水を予防して気を巡らせるレモン、体の熱を取るミントを組み合わせてみる。見た目も涼しげ、ひと口飲めば暑さで疲れた心身もリラックス。
「水筒に水やお茶を入れてミントを加えるだけでもいいんです。水筒の口を開けた瞬間にぱあっと香りがして、“今日の私はどんな調子かな”という思いに至ります。同じ果物でも、今日は寒いところで仕事をしたから体を冷やさない桃がいいかな。炎天下で歩き回ったから熱を取るスイカを食べよう。と、何を選ぶか考えることが楽しい。問題はそういうことを考える余裕があるかどうか。私たち世代は自分を労って自分で自分をもてなして、不調を見逃さないことが大切だと思うんです」
さあ、1杯のお茶から薬膳の世界へ。