突然、右半身にしびれを感じ、脳梗塞と診断されたのが2010年の暮れ。
「健康診断ではいつもA判定。脳梗塞になるリスクはまったくなかったので自分でも驚きでした。エコノミークラス症候群のように、健康な人が一瞬血液どろどろになる、そんな突発的なことだったらしいんです。命に別状もなく後遺症もなく、大事には至らなかったんですが、健康について考えるきっかけになりました」
そこで人間ドックを受診したところ、今度は乳がんが発覚。幸いにも早期発見だったため検査手術・部分切除手術でがん細胞を取り除くことができた。放射線治療や投薬など、5年間の治療を終えたのが2017年のこと。
「この2度の経験で病気は他人事ではないと痛感しました。どんなに健康な人でも病気になるときはなる。病気のリスクを下げることはできても、完全に予防することはできないんだと」
健康な人でもがんや脳梗塞が避けられないとしたら、日頃から養生することの意味を見失いそうになる。
「そうですよね。でも実際、自分がいろんな治療を受けたり周りで治療を受けている人を見て思ったんです。抗がん剤や放射線、手術、ホルモン治療、そういう治療を受けるにも体力が必要だと。胃腸の調子がよければ抗がん剤治療をしても、なんとかごはんが食べられる。血圧が正常で血管が丈夫なら大きな手術にも耐えられる。足腰がしっかりしていれば、手術をした2〜3日後にはリハビリにとりかかれる。病気と闘うためには日頃から体調を整えておく必要があると思ったんです。変な話、病気になるにも元気じゃなきゃいけないというか(笑)」