──口の中にキャラメルの味がいっぱいに広がる女の子 キャラメルたべたあい。くま 食べてしまう。金の夕焼け たべたい。
高山さんが見せてくれたノートには、すでに物語の言葉が並んでいた。その名も「ひらめきノート」。
「絵本のシーンや言葉が夢に出てくることがあるんです。だから字が重なったりして。枕元に、えんぴつはさんで置いて寝てる(笑)」
すでに1冊目の絵本をともに手がけていた画家の中野さんに、この書き付けを写真に撮ってメールで送ったら「とんでもなくやりたいです」という返事が。
「その後すぐに、主人公の女の子の絵が送られてきたんです。その1枚の絵を見たら、わーっとひと息にお話の筋ができてしまった」
言葉をメールで送ると絵が届く。それを見てイメージがさらに膨らんで言葉が生まれる。その繰り返しで物語が育まれていく。
「中野さんの絵を、読心術みたいに読み取ってるんだと思う。あ、ここ、泣いてたんだとか。最初に思わなかったことが出てくるから」
昨年、高山さんは住まいを東京から神戸へと移した。