「実家に帰っては犬を撮っていましたが、犬は言葉が通じないから、人を撮るときとは距離感が違いますね。犬は犬、と思っているし、愛玩的ではない動物写真を私自身見たかった。とはいえかわいい写真もいっぱいあるんですよ、でも今回一冊にまとめるにあたって、流れにうまくハマらなくて泣く泣く落とした写真もあります。それは今後、別の写真集に載せるかも」
全体は成長順に並べているわけではなく、野生の頃に始まって徐徐に家の中に入って家族になじんでいる様子、そして梅さんの祖母の死のあたりでモノクロページになり……と流れていく。
「ばあちゃんが死んだとき、家に知らない人がいっぱい訪ねてきたけど、リョウが全然吠えなくてびっくりした。普段だったら知らない人にはワンワン吠えるのに、さすがに状況が通じたのかな、スゴイな犬、って思いました」