過酷な暑さを元気に乗り切る
「温冷」ケアは今からするのが肝心。
ゴールデンウィークを過ぎたら、体にとって過酷な夏は、もうすぐそこ。若々しく元気に乗り切るには今からの対策が肝心です。
日ごとに暖かくなり、気分もほっとほころぶ季節。けれど、気温が高くなるにつれ、湿度や紫外線量はぐんぐん上昇。夏に向けて体や肌への負担は着々と増している。
そんな過酷さがピークになる夏本番を前に、「今のうちから備えて」と、美容愛好家の野毛まゆりさんがアドバイスをくれた。
「厳しい環境の夏を無防備で迎えると、一気に老け込む危険があるので要注意。まだ先のことだと油断せずに、早めに準備しておくと安心です」
夏の代謝低下に注意!
「温・冷」習慣で、予防しよう。
夏に老ける一番の理由は代謝の低下。若々しさの鍵を握る「土台」が、ダメージを受けることにあるという。
「暑い季節は、冷房がかかっているせいで、思いのほか体の芯は冷え切っています。でも、体の表面は火照って汗をかいているので、なかなか自覚しづらい。そのため、冷え対策がおろそかに……。気付いたときには、代謝が落ちていることがあるんです」
女性ホルモンの変化で、ただでさえ体調や肌が不安定になりやすい40代以降。そこに、強い紫外線や室内外の激しい温度差まで重なると、目に見えて不調が表れてくる。
「放っておくと、体力が必要以上に消耗し、肌色もどんよりとくすんでいく一方。夏が終わる頃には、見た目にもすっかりしぼんで、実年齢よりも上に見られてしまうことも」
そこで有効なのが、「温」と「冷」の刺激を利用して、日頃から血行を高めておく健康&美肌習慣。実家が西伊豆の温泉旅館という野毛さんは、祖母から教わって子どもの頃から続けているという。
「お風呂に入ったら、必ず最後に冷たい水をかけてから出ます。もとは温泉の熱いお湯ののぼせを鎮めるための知恵ですが、仕上げに手足に冷たいシャワーをあてると、たったそれだけで湯冷め知らず!」
湯船には、柑橘類の皮を天日干しにしたものを入浴剤代わりに入れることも。さら湯に入ることはほとんどない。
「生薬に、みかんの皮を乾燥させた陳皮がありますが、自宅で作ったものでも、温浴効果は高まります。短い時間さっと入るだけでも、芯からぽかぽかに温まってきますよ」
温・冷にメリハリをつけたこの入浴法をずっと続けている野毛さん。代謝が上がったせいか、今年の冬は自宅で暖房を一度も入れずに済んだという。
「それでも、ふくらはぎなど、全身の冷えにつながる箇所は重点的に温めるようにしていますが、その場しのぎではないのがこの方法。続けることで、着実に代謝がベースアップできていると実感しています」
同じように朝晩の洗顔も、汚れ落としのためにぬるま湯で洗った後、仕上げは冷水で。夏は、強力な紫外線や代謝が鈍ることによって、角質が分厚くなり、メークのりが悪くなる。そんな悩みには、特に朝の泡洗顔後のこのひと手間が効いてくる。
「温・冷の刺激で巡りが良くなって、顔色がぱっと明るく。そのうえ、毛穴が引き締まって、汗もすっと引くので、メークもしやすくなりますね」
実は、汗を拭くたびに肌のうるおいが飛んでしまい、乾燥につながる。そんな乾燥予防にもおすすめの方法だ。
今さらなんて諦めず、良い方法は取り入れないと損!
もうひとつ野毛さんが実践しているのが、体の中から基礎代謝を上げるための水分補給。その量は1日に軽く2ℓ以上! ただしこれも、体を冷やさないよう、なるべく人肌の温度で飲むようにしている。
「『起き抜け』『入浴の前後』『就寝前』の4回は必ず飲みます。1日の中で飲むタイミングを決めておけば、無理なくたくさん摂れますよね」
レモンやゆずなどの果物を搾れば、風味がついて飲みやすくなり、さらに肌の調子も上がるように感じるとか。
「年齢を重ねるごとに体調が変わって、コントロールはなかなか難しいもの。でも、その分、これまでの経験で得た知識を活かして、自分に合うケアを見つけていけるのが大人の特権。『夏は不快なもの、肌の不調もしょうがない』なんて諦めずに、そろそろ、夏の快適な過ごし方を見つけませんか?」
野毛さん流、毎日続けている「温・冷」習慣。
◎野毛まゆりさん 美容愛好家/外資系化粧品会社の販売、教育、PRを経て独立。根っからの美容好きであることと、プロの環境で身につけたお手入れ知識の豊富さを買われ、「美容愛好家」として活躍中。美容専門誌や女性誌で、スキキンケアやコスメについてのコメントを寄せる。身近な経験に基づいたアドバイスは、わかりやすいと評判。
『クロワッサン』924号(2016年5月10日号)より
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