人が心地よいと感じるためには、光の種類と明るさの度合いが影響する。その裏付けには人間の体のメカニズムが。
「人間の体はサーカディアンリズムと呼ばれる、約24時間周期の生物リズムに基づいています。このリズムは太陽光によりリセットされ、日中、太陽の光を浴びると体が活動的になるし、日が暮れると眠くなる。だから、日中は昼間の太陽のような白色の強い灯りでも問題ないのですが、夜の時間帯は電球色の柔らかい光にシフトチェンジする工夫が必要。そうすることで体がお休みモードへ切り替わり、リラックスできる。さらに、就寝前にかけて、徐々に照度を下げて睡眠へと導くのもひとつのテクニックです」(村角千亜希さん)
どんな空間なのか、また、どんな姿勢で過ごすのかも鍵となる。
「座った時には目線が低くなるので、リビングのソファ周りには、ロータイプのスタンドライトや床置きタイプがおすすめ。寝室は天井の照明を消して、ベッドサイドにほんのりとした灯りを置くと寛げます。どの家具に寄り添わせるのかを考えつつ、人の目線の高さに沿わせることが大事。その際は“一室一灯”の古い考え方を捨てて、複数の灯りを共存させて楽しみましょう。“灯りだまり”(光の明暗差)を作ったり、お気に入りの絵を照らしたり、ちょっとした演出が忙しい日常生活からのストレスを忘れさせてくれます」