がんの原因と女性がなりやすいがん──今知っておきたい、女性のがん
イラストレーション・Shanty 文・小沢緑子
加齢と女性ホルモンに起因するがんに要注意
今、がんは誰にとっても身近な病気。
「日本では年間約100万人ががんと診断されています」と、東京大学病院がん診療医の中川恵一さん。
国立がん研究センターの統計によると、日本人が生涯で何らかのがんと診断される確率は2人に1人(※)。
「がんに罹患する人が増えた背景には生活習慣などさまざまな要因もありますが、『高齢化』が一番の原因。人間の体では毎日たくさんの細胞が死んで新たな細胞が複製されて供給されますが、高齢になり老化が進むと細胞分裂でコピーミスが起こりやすくなり、がん細胞が発生する確率が高まります」
さらに女性の場合、女性ホルモンの影響で発症しやすいがんがある。
「年代別のがん患者数は、男性は55歳以降に急増しますが、54歳までは女性が男性を上回ります」
理由は少子化により、現代の女性は妊娠、出産、授乳の回数が減った分、長期にわたり女性ホルモンの刺激を受け続けることが原因と考えられている。
「特に乳がんは閉経前後の40代後半に発症率がピークを迎えます」
ほかにも女性ホルモンが影響するのが子宮体がん、卵巣がん。子宮頸がんは女性ホルモンでなく、ウイルス感染が原因だが要注意。加齢が原因のがんで女性に多いのは大腸がん、肺がん。
「ただ、がんは治る病気で早期がんであれば多くのものは9割以上が完治します。その早期発見の第一歩が市区町村による住民がん検診。科学的根拠のある検診なので必ず受けましょう」
今回紹介する治療法や制度を参考に、正しい知識を持って備えよう。
女性ホルモンの変化により発生しやすいがん
乳がん
日本人女性の8人に1人が罹患し、ここ40年間で4倍と急増。早期発見のために、しこりがないかのセルフチェックも重要。
子宮体がん
子宮の奥の体部にできるがん。中高年の女性に多く、40代後半から増加し50代後半が最多。最も多い自覚症状は不正出血。
卵巣がん
子宮の両脇にあり、女性ホルモンを分泌する卵巣に発症。罹患率は50代前半でピークを迎え、その後は減少。初期はほぼ自覚症状がない。
感染により発生しやすいがん
子宮頸がん
性行為によるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因。30代後半から増加し、40代後半が最多。50代前半での罹患率も高い水準にある。
加齢により発生しやすいがん
大腸がん
日本人のがんの中で最も罹患率が高い。女性は50代から増加し、85歳以上が最多。早期の段階では自覚症状はほぼない。
肺がん
肺がんの中で、日本人を含む東洋人女性の非喫煙者に多いのが肺の末梢に発生する肺腺がん。60代以降に急増し、85歳以上が最多。
『クロワッサン』1175号より
広告