いつまでもはつらつと元気に! 快適な暮らしのために考えたい、股関節の健康について
イラストレーション・洞 智子 構成&文・中條裕子
そもそも股関節はどんな働きをしているのか?
二足歩行する人間にとって、もともと負荷がかかりやすいのが股関節、と専門医である宇都宮啓さん。
「股関節は近くの膝ではなく、肩に似ている関節です。球体状の骨頭が、お椀のような形の受け皿(寛骨臼)にはまり込む構造となっています。かつて人間は四足動物のように体重を分散させていましたが、二足歩行をしている現代人も、座ったときの曲がっている状態が本来は正しい股関節の位置なのです」
そのため、立っているだけで体重の30〜40%の負荷が股関節にかかるという。
「二足歩行のねじれた状態で体重をかけることを強いられている人間は、軟骨が痛みやすい。股関節の変形が進行し、日常的な痛みや動きの制限が出ると、人工関節に置き換える手術も視野に入ってきますが、特にそれが40代半ばと60代前半の女性に多いと感じます」
股関節トラブルはいつの間にか進行していることも
股関節に痛みを抱えている場合は、直ちに専門医へ。それ以前に大事なのは、不調のサインをキャッチすること。
「軟骨がすり減る前に、最初の試みとして内視鏡手術で股関節唇という軟骨組織を修繕することで症状が緩和される人もいます。調子が思わしくないと思ったら、自分の股関節の状態を知るために、まず専門医でMRIを撮って判定してもらうようにしてください」
ただ、意外と自分では気づきにくい症状もあるので注意が必要。
「膝や腰の調子が悪いと思っていたけれど、実は股関節が原因だったという場合も。直接の痛みはなくとも、下記のような不調がないかチェックを」
また、負担がかかる猫背などの姿勢を改善し、股関節に関わる筋肉である腸腰筋に力が入るエクササイズを日頃行うことも、改善には効果的だという。
こんな心当たりはありませんか?
□ ふとしたときに股関節に違和感がある
□ 10~15分くらい歩くと脚がだるくなる
□ 歩くときに体が左右に揺れる
□ ズボンの丈の長さが左右で合わなくなった
□ 階段や段差が上がりづらい
□ あぐらをかくことができない
□ 以前より股関節の動く範囲が狭くなった
□ 靴下を履く、足の爪を切るなどの動作がしにくい
□ 腰や膝、足首などに痛みがある
□ 膝が重く感じることが多い
『クロワッサン』1175号より
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