イライラの原因を理解して穏やかに。大人の感情コントロール術
イラストレーション・長谷川 海 文・嶌 陽子
以前より落ち込みや焦りを感じやすく、とりわけイライラや怒りを抑えられない。「更年期世代にそう悩む人が多い背景には、女性ホルモン(エストロゲン)の激減がある」と話すのは、ストレスの分野に詳しい大美賀直子さん。
「エストロゲンの減少により自律神経が乱れると、感情が不安定になります。体全体にも負担がかかるため、以前なら難なく行えていたことが思うようにできなくなる。こうしたことが落ち込みやイライラ、怒りにつながるのです」
更年期世代は仕事や家庭で多くの課題を抱えがちで、そのストレスが原因になることも。「『眠れない』『外出したくない』など、生活に支障をきたし始めたら精神科などを受診するのがおすすめ」と大美賀さん。
「更年期は必ず終わるし、50代前後を底に幸福度は上昇するというデータも。今は心身の変化を受け入れていくための練習期間だと考え、なるべくポジティブに乗り切っていきましょう」
【更年期症状のある人の8割が怒りっぽくなったことを自覚】
出典:2023年12月 花王FemCareLAB(フェムケアラボ)調べ
上の調査では更年期症状がある人の8割がイライラや怒りを自覚。「気分が落ち込む、クヨクヨする」も6割に上る。体の不調とともに感情の乱れも更年期に顕著な症状で、中でも怒りっぽくなる人がかなり多いことがわかる。
【こんな場面、心当たりありませんか?】
□夫への口調がついキツくなる
□家族の何げないひと言が許せない
□以前と比べて自分のできなさにイライラ
□疲労の蓄積とともに、機嫌が悪くなる
□自分のペースが乱されるとストレスを感じる
□幸せそうな人を見るとモヤモヤする
以前は受け流せていた何げない一言にカッとなったり、家族につい八つ当たりしてしまったり、過去の自分や周りの人と比較してイライラしたり。怒りの矛先が多岐にわたるように。
【イライラの感情が起こる要因は?】
セロトニンの不足
不安やストレスを和らげ、精神を安定させる働きがあり、「幸せホルモン」とも呼ばれる脳内の神経物質、セロトニン。エストロゲンが減少することでセロトニンの分泌も不安定になり、感情のコントロールが難しくなる。
社会的ストレス
更年期世代は仕事における重責、子どもの受験や独立、夫婦関係の変化、親の介護など、抱える課題が複雑、かつ一人では解決しにくいものに。体の不調に加え、こうした社会的なストレスが不安定な感情へつながる場合も。
自律神経の乱れ
エストロゲンの減少は自律神経の乱れを引き起こし、緊張時に働く交感神経が優位になりやすくなる。リラックス時に優位になる副交感神経が働きにくくなり、睡眠リズムが崩れ、イライラにもつながりやすい。
『クロワッサン』1175号より
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