感情的にならないためのコミュニケーション術
イラストレーション・長谷川 海 文・嶌 陽子
更年期世代は仕事や家庭で多くの課題を抱えがちで、そのストレスが原因になることも。次から紹介する方法で気持ちをコントロールしつつ、「『眠れない』『外出したくない』など、生活に支障をきたし始めたら精神科などを受診するのがおすすめ」とメンタルケア・コンサルタントの大美賀直子さん
「更年期は必ず終わるし、50代前後を底に幸福度は上昇するというデータも。今は心身の変化を受け入れていくための練習期間だと考え、なるべくポジティブに乗り切っていきましょう」
【Iメッセージ+Youクエスチョンで話す】
「なぜ、(あなたが)しないのか」など、「あなた」を主語にすると相手を責める言い方になりがち。「“私”を主語にしたIメッセージを使うと、落ち着いて素直な気持ちを伝えられます」。さらに相手に質問を投げかけて、意見を言える余地を残すと衝突せず建設的な会話ができる。
【クッション言葉を添える】
要求をそのまま提示するのではなく、「よかったら〜」「〜してもらえると助かる」など、相手への配慮や感謝を表す言葉を添えると、角を立てずに伝えられる。「『お願いね』など語尾にソフトに『ね』をつけるだけでも柔らかい表現になり、優しいコミュニケーションになります」
【リフレーミングを意識する】
リフレーミングとは、同じ事実を、枠組み=フレームを変えて別の視点から見てみること。ネガティブな捉え方をポジティブな意味に変換することで、批判的な感情が和らぎ前向きな気持ちに。「相手を否定する前に、いい方向に捉え直せるよう日頃から習慣づけることが大事です」
怒りが湧いてしまったら……
【6秒待って怒りのピークをやり過ごす】
人が何かに怒りを感じると、まず脳にある扁桃体が反応して暴走し始める。一方、感情をコントロールする前頭葉は、働き始めるまでに6秒ほどかかるといわれている。「怒りのピークが過ぎ去り、冷静な判断ができるようになるまで待ちましょう」
【4秒吸って6秒吐く深呼吸をする】
ゆっくり、深く呼吸をすることには心を落ち着かせる効果がある。息を吸う時間より吐く時間を長くすると副交感神経が優位になりやすい。「カウントしながら呼吸して“今”に意識を向けることで怒りの感情や思考を自分から切り離せます」
【その場を離れる】
怒りの感情に集中してしまうと、なかなかそこから逃れられない。そのため、怒りを感じた場所からいったん離れ、心身を落ち着かせて冷静になることが大事だ。「その場を離れられない場合は、窓の外を見て意識を切り替えるのもいいでしょう」
【意識を足元に向ける】
「“頭に血が上る”という言い方があるように、怒っている時は心拍数や血圧が上がり、頭がカッとしてしまうもの。これを下に降ろしていくようなイメージで、意識を足下に向けましょう」。実際に足元を見てもいいし、目を閉じてイメージしても。
【体を冷やしてクールダウン】
怒りの感情が湧くと血流が上がり、体温も上昇する。「体を物理的に冷やすことで、血流も安定し、気持ちも自然と鎮まります」。冷たいものを飲むほか、冷たい水で顔や手を洗ったり、冷えたタオルなどを顔や首に当てるのもおすすめ。
【自己嫌悪に陥らないためのセルフ語録】
「私、今イライラしてる」
自分を一段高いところから客観的に観察しよう。そうすれば怒りの感情に飲み込まれずにすむ。
「ホルモンのいたずらだな」
怒りの原因が自分自身や他人にあるのではなく、どうにもならない状況にあるのだと捉えて。
「嵐が過ぎ去るのを待とう」
怒りの感情も、ピークを過ぎれば必ず収まっていく。ピーク時は下手に動かないと肝に銘じて。
「イライラするのは、エネルギーがあるから」
怒りが湧くというのは、それだけエネルギッシュだということ。元気な自分を褒めてあげよう。
『クロワッサン』1175号より
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