「もう無理!」心が限界になる前に、夜にやるべき4つの手当て
イラストレーション・John Danon 文・松本あかね
夜になるとイヤな出来事が何度も蘇ったり、同じ考えがぐるぐる頭を巡って離れなかったり。
「ネガティブな感情や思考はコントロールすべきというこれまでの考え方から、最近では受け入れつつ、自分本来の価値を大切にして人生を主体的に生きるほうにシフトする考え方に注目が集まっています」と公認心理師の藤本志乃さん。
ポイントは負の感情を認めつつ振り回されない「心の柔軟性」を育むこと。心に浮かぶことを書き出すジャーナリングやマインドフルネスの考えを取り入れたワークを行うことで思い込みから解放され、感情に左右されない時間が増えていく。効果を実感するには2カ月ほど続けてみるといい。
〈夜の狙いはコレ!〉
● 思い込みから自分を切り離す。
● ネガティブな感情を受け入れるスペースをつくる。
● 意識を「今・ここ」に引き戻す。
思考のループや沸き起こる感情にのみ込まれないスキルを育てる
Routine1 書き出してストレスを発散する
書き出して感情・思考を吐き出す。書く行為そのものに意識を向ける
「今日、仕事で失敗しちゃったな」「あんなこと言わなければよかった」……いろいろな思いが頭の中に居座り、ぐるぐる考え込んでしまう「反芻」状態は、仕事や家事が一段落する夜に陥りやすく、鬱との相関が高いことも指摘されている。このループから抜け出すために役立つのが、ジャーナリングの方法による書き出すという行為。文字で表現することで、問題と自分が切り離され問題自体を客観視することができ、具体的な解決策に向かえるようになる。書いて感情を吐き出すとストレス発散の効果もあり、寝る前に行うことで鎮静効果も。
Routine2 感情の周りにスペースを設ける
自分に思いやりの言葉を向け、心の余白をつくる
沸き起こる感情にのみ込まれず「自分の中にそっと置いておく」には、それがネガティブなものであるほどスキルが必要。「慈悲の瞑想」はもともと仏教の修行の一環として行われており、自分や他者に思いやりや慈しみを向ける力を養うメソッドとして知られる。自分や他者に「幸せでありますように」など思いやりの言葉をかけると、感情の周りにスペース(余白)が生まれる感覚が得られる。イヤな感情も少し引いた場所から眺められると振り回されずに済む。続けていくうちに、自分や他者への共感力が高まり、怒りや否定的な感情も和らいでいく。
Routine3 3つのものに意識を留める
過去に対する後悔や未来への不安から意識を「今・ここ」に引き戻す
過ぎたことをいつまでも悔やんだり、先のことを心配してばかりいると、脳の思考回路が常にそう働く癖がつき、目の前の幸せに目が向かなくなってしまう。「今・ここ」で起きている事柄に意識を留めるマインドフルネスの実践は、脳の癖に気づき、感覚を今に戻す練習として最適。目、耳、肌が受信するものに3つずつ気づき、それぞれに意識を集中する。瞑想が苦手な人にも取り組みやすく、続けると不安や恐怖に反応する脳の扁桃体が小さくなるという研究結果も。扁桃体の過剰反応がなくなり、何か起きても冷静、寛容に対処できるようになる。
Routine4 深い呼吸で心と体を緩める
体の緊張を解き不安を鎮める。リラックスして安眠態勢へ
家事や仕事に追われる日が続き、プレッシャーや心配ごとで心が押しつぶされそうなとき。強いストレスは必ず体のどこかに反応が現れる。頭痛や胃腸の不調などのほか、不眠もその一つ。なかなか寝付けないとき、体はこわばり呼吸は浅く、心拍数も上昇。するとますます不安感が強まるという悪循環に陥ってしまう。それを断ち切るには体の緊張を緩めることが最優先。深く息を吸って長く息を吐く呼吸法は、副交感神経を優位にし、心拍数を下げて心身をリラックス状態に導く。数分で効果が表れるので、寝る前の新習慣として取り入れてみよう。
『クロワッサン』1173号より
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