防災士・常盤貴子さんと能登のいま、を見に行く
撮影・太田太朗 スタイリング・大塩リエ ヘア&メイク・ナライユミ 文・兵藤育子 協力・輪島フィルムコミッション
常盤貴子さんと能登の出合いは、2015年のNHK朝の連続テレビ小説『まれ』でヒロインの母親役を演じたことに遡る。地元の人たちやその暮らしに触れることで、どんどん魅せられ、撮影が終わってからも大切な場所のひとつとして心を寄せてきた。
2024年元日に起こった地震、そして同年9月の豪雨で甚大な被害を受けてからは、それまで以上に頻繁に通うように。その本気度は、防災士の資格を取得したことからも伝わってくる。今回の目的は防災と旅の両方の観点から能登を巡ること。復興の道なかばではあるものの、旅先としての魅力を取り戻しつつある大好きな場所へ。
元気に大歓迎! 美味しいもの、素敵なものを求めて、能登・輪島へ
お宿たなか
伝統的な暮らしを五感で堪能する時間
輪島の中心部にあり観光の拠点としても便利な、1日4~5組限定の大人の隠れ家。木造3階建てながら、震災による建物の被害が比較的少なかったことを幸いに、1カ月後には営業を再開。復興に関わる人や支援者を受け入れてきた。
「輪島の宿泊施設のほとんどが被災して、泊まれるところがなかった時期から頑張ってこられたお宿です。今は観光のお客さま向けにシフトされていて、お二人とも能登の昔ながらの暮らしや文化を伝えるという熱い思いをお持ちなんです。ここで過ごす時間を通してそれを体感でき、また帰ってきたいと思わせてくれます」(常盤さん)
拭き漆という伝統技法で仕上げた黒く艷やかな床や柱、珠洲の珪藻土を使う壁など、しつらえも美しく機能的。伝統的な暮らしの豊かさを感じられる贅沢なひとときを。
道の駅輪島(ふらっと訪夢)から徒歩約7分。黄土色の壁と黒の板張りで、土蔵をイメージした外観。
mebuki-芽吹-
能登の恵みを“再び芽吹かせる”中心地
常盤さんが“輪島のキーマン”として信頼を寄せる、池端隼也さんの飲食店。震災後、料理人や漁師などに声をかけて炊き出しを行い、そのメンバーとともに始めた店で、それぞれの再建を後押しする役割を担ってきた。
「オープン当初はいろんな料理を食べられる面白さが。料理人が徐徐に独立され、今はフレンチシェフの池端さんらしさが前面に出てきました。それがハッとするほどおいしいんです!」(常盤さん)
魚や野菜など地元食材が安定して調達できるようになり、ますます能登を感じられる場所に進化!
震災前、輪島で愛されていた店の料理人が集う、復興の道標となる飲食店。ランチや居酒屋利用も、贅沢なコース料理も。
御菓子司 杉平
真心と斬新さも感じさせる輪島の銘菓を
完熟ゆずの中身をくり抜いて、餅種を詰めて蒸した丸柚餅子や、こちらでは冬のスイーツとして親しまれている水ようかんなど、輪島の伝統を守り続ける老舗菓子店。
「グルメの蒔絵師さんから、どら焼きの名店として教えてもらいました。ふわふわのどら焼きはもちろんのこと、金柑がゴロッと入ったお饅頭が大好きで。食べるたびに驚かされます」(常盤さん)
2007年の地震で大きな被害を受けて新築し、今回の地震では被害を抑えることが。震災後早々に店を再開して、元日に食べられなかった水ようかんを提供したそう。
「丸ゆべし」と大きく書かれた看板が目印。ショーケースには、輪島の銘菓や定番のお菓子が並び、ついいろいろ試したくなる。夏場は、啓子さんが作るソフトクリームも人気。
『クロワッサン』1172号より
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