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87歳。元気の源は、自分の体を知り、仲間と支え合うこと──森田泰子さん 地域で支え合う仲間づくり(1)

「助けあって。介護のある日常」──植物療法の第一人者・森田敦子さんの母、森田泰子さん。68歳で植物療法を学び始め、地域で講座を開き、日々のセルフケアと仲間との支え合いを大切に暮らしている。地域で支え合う仲間づくりについて伺った第1回。

撮影・村上未知 構成&文・殿井悠子

森田泰子さん
森田泰子さん

植物療法士・森田敦子さんの母、泰子さんは、現在87歳。長年、小学校教員として勤め、管理職も経験した。朝は6時ごろに起き、まず庭へ出る。落ち葉を掃き、庭のハーブや野菜の様子を見て回る。鳥の声を聞き、虫や植物の小さな変化に気づくことから、一日が始まる。

体づくりのため、毎日約2キロ歩き、体操も続けている。食事は旬の野菜を中心に、さまざまな食材を少しずつ。とはいえ、年齢による体力の衰えを感じないわけではない。

「80歳を過ぎると、元気だった人が突然体調を崩すこともあります」

泰子さんもこれまで二度、大きく体調を崩したことがある。そのとき頼りになったのが、自宅に併設された「ブランマグノリア訪問看護ステーション」の看護師たちだ。体の状態を見てもらい、必要な助言やケアを受けるなかで、年齢を重ねると、医師や看護師など専門家の力を借りることも必要だと実感したという。

泰子さんは“ブランマグノリアの母”として、スタッフから慕われている
泰子さんは“ブランマグノリアの母”として、スタッフから慕われている

泰子さんは「自分の健康は、自分で守る」という考えだが、それは何でも一人で解決するという意味ではない。日頃から自分の体に関心を持ち、できることは自分で続ける。一方で、変化があれば専門家に相談し、地域の仲間とも気にかけ合う。いざというときに介護してくれる人たちとあらかじめつながっておくことも、年齢を重ねて安心して暮らすための備えなのだ。

植物療法を学び始めたのは、教員を退職した後の68歳のとき。娘の敦子さんが主宰するスクールで学び、植物を日々の健康に生かす知恵を身につけた。やがて、「学んだことを地域の人にも伝えたい」と、市民館で講座を始めた。初回は定員15人に対し、35人を超える応募があったという。ハーブティーやアロマ、身近な植物の活用法を学びながら、参加者同士で体調や悩みを語り合う。

長い年月のなかで、その仲間たちも年齢を重ねた。家族の介護を経験し、自身の病気と向き合ってきた人もいる。今でも泰子さんのもとに定期的に集まり、互いの近況を聞き、体を気づかい合う。仲間がいるからこそ、健康を意識し、自分にできることを続けてこられた。年齢を重ねれば、いつか誰かの手を借りるときがくる。泰子さんの生き方は、元気なうちから、介護が必要になったときに支え合える関係を育てておくことの心強さを教えてくれる。(続く)

泰子さんの講座で人気だったのが、友人手作りの陶器にアロマを染み込ませるペンダント作り
泰子さんの講座で人気だったのが、友人手作りの陶器にアロマを染み込ませるペンダント作り
  • 森田泰子 さん (もりた・やすこ)

    植物療法の第一人者・森田敦子さんの母。元小学校教員。68歳で植物療法を学び始め、地域で講座を開く。現在87歳。自宅の庭に小さなハーブラボを設け、2階には敦子さんが開設した「ブランマグノリア訪問看護ステーション豊橋」がある。日々のセルフケアと仲間との支え合いを大切に暮らしている。

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