【国宝・犬山城】往時の交通要衝として栄えた、日本最古の天守と城下町を巡る
撮影・福森クニヒロ 構成&文・中條裕子
犬山城が抱くのは、日本で最古の天守。木曽川沿いの小高い山に建てられ、戦国時代を通じ、経済や交通の要衝として重要な拠点であった。そのため、名だたる武将たちが重要視してきた城として知られている。そして今では、初期の様式を伝える天守を、間近に見ることができる貴重な場所となっている。
たとえば、攻めくる敵を想定し、階段は勾配も急であり、上から弓矢や鉄砲で狙いやすい角度の造りに。屋内には、石垣を登ろうとする敵を横から弓で射たり、石を落として防御するための空間が設けられているなど、襲撃を前提とした造りとなっているのが特徴的だ。
そして、最上階からの雄大な眺めも、こちらの城ならでは。周囲をぐるりと巡る回廊に出てみれば、眼下に濃尾平野や木曽川の流れ、天気がよい日であれば遠く名古屋のビル群まで、圧巻の景色を見渡すことができる。
その麓には、江戸時代と変わらない町割りを残し、風情ある町家や屋敷が立ち並ぶ城下町が広がる。また、犬山のもう一つの国宝である茶室を移築した日本庭園も、城から歩いて10分ほど。それぞれの時代に思い馳せながら、ゆったりと巡ることができる。
愛知県犬山市犬山北古券65-2 TEL:0568-61-1711 9時〜17時(16時30分受付終了) 12月29~31日休 入場料1,000円
犬山城周辺 立ち寄りスポット
日本庭園 有楽苑(うらくえん)
信長の弟で茶人の織田有楽斎が建てた茶室〈如庵〉が、各地を転々とした後、最終的にこちらに移築。4,000坪の苑内には、昭和を代表する建築家・堀口捨己の監修により、四季折々の表情を見せる日本庭園に、〈如庵〉ほか茶室や有楽斎の隠居所であった〈旧正伝院書院〉が配されている。庭園には犬山城天守を望むことができるポイントも。
松野屋
創業140年、地元の人にとって“子どもの頃から親しんできた懐かしい味”である味噌田楽のお店。八丁味噌など数種をブレンドするたれも自家製で、変わらぬ味として引き継がれてきた。できたてを提供するために、定食につく菜飯は田楽の焼き上がりに合わせて、青菜とご飯を混ぜている。素朴ながら、何度も食べたくなるおいしさだ。
三光稲荷神社
織田信長の叔父、初代犬山城主・信康より仰がれ、江戸時代以降は城主・成瀬家に崇敬されてきた。赤い鳥居が目印の境内には銭洗稲荷神社もあり、お金をご神水で洗うと何倍にもなって返ってくると同時に、その福銭には一家繁盛、子孫長久のご利益があると伝えられている。城山の麓に立っているので、境内を通って城へ向かうと近道に。
『クロワッサン』1169号より
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