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【大人の休日】「国立公園」を旅の目的に。伊勢志摩の自然と美食に癒やされる1泊2日のリトリート旅

忙しい日々に追われていると、ふと何もしない時間や自然が恋しくなることはありませんか? 三重県の「伊勢志摩国立公園」はそんな気持ちを満たしてくれる最適な旅先。伊勢神宮や英虞湾の絶景、この土地ならではの美食。“国立公園”を切り口に一泊二日の旅に出かけたら、最上級の癒やしがありました。

写真・文 クロワッサン編集部

旅の始まりは、心ほぐれる郷土の味「七越茶屋」の伊勢うどん

今回の旅のスタートは、鳥羽駅からほど近い「七越茶屋」。早朝に東京を出発したのでお腹はペコペコです。ここで早速腹ごしらえを。

手こねずし膳・梅(1,540円)は、名物・伊勢うどんと、たれ漬けした新鮮な鰹を酢飯にのせた手こねずし、お味噌汁、香の物がセットになったボリューム御膳。伊勢志摩名物を一気に味わえる
手こねずし膳・梅(1,540円)は、名物・伊勢うどんと、たれ漬けした新鮮な鰹を酢飯にのせた手こねずし、お味噌汁、香の物がセットになったボリューム御膳。伊勢志摩名物を一気に味わえる

いただいたのは、外せない郷土料理「伊勢うどん」です。 極太でふわふわと柔らかい麺に、溜まり醤油ベースの漆黒のタレ。見た目のインパクトとは裏腹に、角のないまろやかな甘みが口いっぱいに広がります。消化によく優しい味わいは、移動で疲れた体に染み渡る美味しさ。ほっこりと温かい気持ちになり、旅のスタートにふさわしい一食となりました。

英虞湾の穏やかな海でシーカヤック体験「志摩自然学校」

旅の始まりは、志摩半島の南部に位置する「志摩自然学校」から。ここでは、波が穏やかな英虞湾(あごわん)を舞台にシーカヤックを体験しました。
「カヤックなんて、体力に自信がないから無理……」そう思われる方もいるかもしれません。実は私もそうでした。しかし、ここのシーカヤックは初心者や年配の方でも安心して楽しめるアクティビティとして人気があります。

穏やかな英虞湾の水面に浮かぶカラフルなシーカヤック
穏やかな英虞湾の水面に浮かぶカラフルなシーカヤック
出発前には、インストラクターの丁寧な指導があるので安心して乗船できます
出発前には、インストラクターの丁寧な指導があるので安心して乗船できます
穏やかな英虞湾の水面に浮かぶカラフルなシーカヤック
出発前には、インストラクターの丁寧な指導があるので安心して乗船できます

インストラクターの方に教わりながらパドルを漕ぎ出すと、水面を滑るように進む感覚がとても心地よいのです。激しいスポーツではなく、まさに「水上のお散歩」。入り組んだリアス海岸の緑と、空の青、そしてあおさの養殖筏が浮かぶ独特の景観を海抜ゼロメートルからの目線で眺める贅沢。風の音と鳥の声だけが響く静寂の中で、日常の喧騒がスッと引いていくのを感じました。

天空の特等席で深呼吸。絶景が広がる「横山展望台」

カヤックで海との一体感を感じた後は、少し高い場所から英虞湾の全体像を眺めに「横山展望台」へ。ここは、標高140メートルの高さから英虞湾を一望できる、伊勢志摩国立公園を代表するビュースポットです。

横山展望台のテラスから見下ろす、無数の島々が浮かぶ英虞湾
横山展望台のテラスから見下ろす、無数の島々が浮かぶ英虞湾

整備された木製のスロープを上がると、目の前に広がっていたのは息をのむような絶景でした。複雑に入り組んだ海岸線と、大小60もの島々が織りなすリアス海岸の美しさ。 展望台には「横山天空カフェテラス」が併設されており、絶景を眺めながら地元の食材を使ったドリンクやスイーツを楽しむこともできます。風を感じながらテラスでぼんやりと景色を眺める時間は、なにものにも代えがたい癒やしのひとときです。

横山天空カフェテラス「ミラドール志摩」では、紫蘇サイダーをいただきました。吸い込んだ瞬間、口いっぱいに爽やかな甘さが広がり、つい一気に飲み干してしまう
横山天空カフェテラス「ミラドール志摩」では、紫蘇サイダーをいただきました。吸い込んだ瞬間、口いっぱいに爽やかな甘さが広がり、つい一気に飲み干してしまう

伊勢志摩国立公園の自然環境を身近に感じる「横山ビジターセンター」

景色で心を充たしたら、展望台すぐ下の「横山ビジターセンター」へ。
ここは伊勢志摩国立公園の自然や生き物、人々の暮らしについて学べる施設です。ただの学習施設と侮るなかれ。臨場感あふれる映像を楽しめる4面スクリーンシアターが設置されており、まるで空から伊勢志摩全域を見下ろすような体験ができます。

横山ビジターセンターには、伊勢志摩国立公園全体がわかる地図のほか、4面スクリーンシアター〈おとしゃい伊勢志摩〉も
横山ビジターセンターには、伊勢志摩国立公園全体がわかる地図のほか、4面スクリーンシアター〈おとしゃい伊勢志摩〉も

なぜ伊勢志摩の海にはこれほど多くの魚がいるのか。なぜ真珠養殖が盛んなのか。展示を通して、先ほど見た景色の中に、自然と人々の営みが密接に関わり合っている「里海」のストーリーがあることを知りました。背景を知ることで、目の前の風景がより一層奥行きを持って感じられるように。知的好奇心が刺激されるのも、大人旅の醍醐味です。

伊勢志摩で採れたバロックパールを使った手作りの置き物も販売されている
伊勢志摩で採れたバロックパールを使った手作りの置き物も販売されている

伊勢志摩の海の幸を堪能。心づくしの宿「扇芳閣」

目一杯自然を楽しんだ後は、今夜のお宿へ。訪れたのは鳥羽市にある旅館「扇芳閣」です。高台に位置し、鳥羽の海を見渡せるロケーションが魅力。

旅の楽しみといえば、やはり食事。夕食には、伊勢志摩の海で獲れた新鮮な海鮮のフルコースをいただきました。プリプリした食感と甘みがたまらない伊勢海老のお造りや、立派なサザエ、牡蠣の扇芳閣名物・宝楽焼。松坂牛のカツに蛸や海老の海鮮釜飯など……。まさに「御食つ国(みけつくに)」の名にふさわしい贅の限りを尽くしたご馳走の数々。

扇芳閣では伊勢志摩自慢の豪華な海鮮を振舞ってもらい、お腹も心も大満足
扇芳閣では伊勢志摩自慢の豪華な海鮮を振舞ってもらい、お腹も心も大満足

夕飯の後は、温泉に浸かって旅の疲れをゆっくり癒やす。これぞ極上のリラックスタイムを過ごすことができました。

お部屋に入るとコーヒーテーブルに女将からのメッセージが。粋な心配りに温かい気持ちになりました
お部屋に入るとコーヒーテーブルに女将からのメッセージが。粋な心配りに温かい気持ちになりました

「世界中の子育て家族から愛される旅館」を目指しているという扇芳閣は、温かいおもてなしの心が随所に感じられる、ぜひ泊まってみてほしい素敵なお宿でした。

凜とした空気に背筋が伸びる「伊勢神宮・内宮」の早朝参拝

2日目の朝は、少し早起きをして「伊勢神宮(内宮)」へ。天照大御神をお祀りする、私たちの心のふるさとです。個人的に3度目のお参りだったが、今回は初めてガイドさんに詳しく案内してもらった。さすがプロの観光案内人。これまで何となく見逃していた建物や歴史などを深く知ることができ、有意義な時間を過ごすことができた。印象に残るお伊勢さん参りにするため、ガイドに誘ってもらうというのもおすすめだ。

宇治橋を渡り、玉砂利を踏みしめて神域へ足を踏み入れると、空気が一変。樹齢数百年の杉木立等に囲まれた参道は、神々しく、凜とした空気に包まれています。

朝の光が差し込む伊勢神宮内宮の宇治橋には、船大工の技術が使われている
朝の光が差し込む伊勢神宮内宮の宇治橋には、船大工の技術が使われている
宇治橋は木製のため、流れてきたものを避けられるよう川の上流には杭が立っている
宇治橋は木製のため、流れてきたものを避けられるよう川の上流には杭が立っている
朝の光が差し込む伊勢神宮内宮の宇治橋には、船大工の技術が使われている
宇治橋は木製のため、流れてきたものを避けられるよう川の上流には杭が立っている

しばらく進むと右側に五十鈴川が見えてきます。ここで手を清め、正宮へ。

せっかく訪れたなら、お参りの前に五十鈴川で手を清めてみるのがよい
せっかく訪れたなら、お参りの前に五十鈴川で手を清めてみるのがよい

訪れるのにおすすめなのは、やはり人の少ない朝の時間帯。清らかな空気の中で手を合わせ、日々の感謝を伝える。ただそれだけで、心が洗われ、新しいエネルギーが満ちてくるような感覚になります。2000年の歴史を持つこの場所が、今なお人を惹きつける理由を肌で感じることができる良い時間でした。

現役海女さんと唯一無二のランチ体験「はちまんかまど」

旅の締めくくりに向かったのは、鳥羽市相差町にある海女小屋。伊勢志摩地域は日本で最も多くの海女さんが活躍しているエリア。ここ「海女小屋はちまんかまど」は、現役の海女さんが漁を終えた後に冷えた体を温めたり、休憩したりする海女小屋で、彼女たちが獲って来た新鮮な魚介を振舞ってくれるという唯一無二の体験ができる場所です。

はちまんかまどの海女さんたち。振舞ってもらうのは、彼女たちが獲ってきた新鮮な魚介たち
はちまんかまどの海女さんたち。振舞ってもらうのは、彼女たちが獲ってきた新鮮な魚介たち
炭火で焼き立ての新鮮な海鮮は絶品!
炭火で焼き立ての新鮮な海鮮は絶品!
地元の「相差音頭」を踊る海女さんたち。「トコ相差 ヨイトコホイ」の掛け声が明るく響く。本当にパワフルな彼女たちに、たくさんの元気をもらった
地元の「相差音頭」を踊る海女さんたち。「トコ相差 ヨイトコホイ」の掛け声が明るく響く。本当にパワフルな彼女たちに、たくさんの元気をもらった
はちまんかまどの海女さんたち。振舞ってもらうのは、彼女たちが獲ってきた新鮮な魚介たち
炭火で焼き立ての新鮮な海鮮は絶品!
地元の「相差音頭」を踊る海女さんたち。「トコ相差 ヨイトコホイ」の掛け声が明るく響く。本当にパワフルな彼女たちに、たくさんの元気をもらった

小屋の中央にある釜戸を囲み、海女さんがサザエや鮑、鯵、カマス、イカなどを手際よく次々と炭火で焼いてくれます。海鮮好きにとっては、幸せの極みのような空間です。

食事だけでなく、伊勢志摩の自然と共に生きる海女さんたちと会話ができるのも大きな魅力のひとつ。平均年齢76歳の海女さんたち。なんと1分のうちに約13mも潜ることができるというから驚きです。昔話として、「この町に嫁ぐには、海に潜れないとだめだったんだよ」と話していたのが印象的でした。

漁が終わった後はあたたかいお茶を飲みながら薪を囲み、3時間近くかけて体を温めるのが習わしだといいます。女性の大敵・冷え対策もばっちりで、昔の人の知恵が脈々と息づいていることを肌で感じる貴重なお話でした。

代表取締役社長の野村一弘さん曰く、ここ「はちまんかまど」には海外の観光客が訪れることが多いという。「海外の人が増えたきっかけは世界最大級のドキュメンタリー番組に取り上げられたことでした。その後、台湾や香港のメディアが取材に来てくれたり、ここから近い中部空港とタイを結ぶエアアジアの機内CMでも、うちの様子が放映されていたり——。そんないろいろが奏功し、人気に火が着きました。国別に、台湾、マレーシア、タイの順に多くの人がお越しになっています。」

ただの観光というより、“伊勢志摩に暮らす人々の生活にお邪魔させてもらった”ような経験ができる海女小屋。伊勢志摩エリアへ訪れる際には、ぜひ予約して訪れてみてはいかがでしょうか。

この2日間を振り返り、改めて感じたのは「国立公園」という場所の奥深さ。
これまで旅先を決めるとき、「国立公園に行こう」という視点で選ぶことはなかったかもしれません。しかし国立公園には、手つかずの自然があるだけでなく、その自然に寄り添って暮らす人々の歴史や文化、豊かな食が息づいています。

この旅で訪れた伊勢志摩国立公園も、森の養分が川を伝って海へ流れ込み、豊かな漁場を育み、それが海女漁や真珠養殖という文化を支え、神宮への信仰にも繋がっている――そんな壮大な循環の中にありました。

ただ景色を眺めるだけではない、その土地に根差したディープな体験ができる場所。それが伊勢志摩国立公園です。全国にはここを含め全35か所もの国立公園があるそう。次の旅先は、「国立公園」をキーワードに選んでみてはいかがでしょうか。日本には私たちがまだ知らない魅力があふれています。

●七越茶屋
住所:三重県鳥羽市鳥羽3-4-32
営業時間:11:00~15:00LO、17:00~19:00LO ※木曜のみ11:00~16:00
店休日:毎週水曜日
https://www.nanakoshi.com/

●志摩自然学校
住所:三重県志摩市大王町波切2199 ともやま公園
営業時間:9:00~17:00
店休日:不定休
https://shima-nature-school.jp/

●横山展望台・横山ビジターセンター
住所:三重県志摩市阿児町鵜方875-24
営業時間:9:00~16:30
店休日:年中無休
https://chubu.env.go.jp/nature/yokoyama/index.html

●扇芳閣
住所:三重県鳥羽市鳥羽2-12-24
営業時間:チェックイン15:00/チェックアウト10:00
https://www.senpokaku.com/

●伊勢神宮内宮(皇大神宮)
住所:三重県伊勢市宇治館町1
営業時間:1~4月5:00~18:00/5~8月5:00~19:00/9月5:00~18:00/10~12月5:00~17:00
https://www.isejingu.or.jp/about/naiku/

●海女小屋はちまんかまど
住所:三重県鳥羽市相差町819
営業時間:10:00~17:00 ※完全予約制
定休日:1月1~5日、8月13~15日、12月30、31日 その他不定休
https://amakoya.com/

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