中野聡美さんと行く、伊勢神宮【外宮編】
撮影・黒川ひろみ イラストマップ・山里美紀子 文・長谷川未緒
【伊勢神宮】
鎮座以来、国の安寧と国民の幸せを祈り続けてきた聖なる社。
外宮(げくう)|豊受大神宮(とようけだいじんぐう)
「一生に一度はお伊勢参り」と永きにわたって人々の崇敬を集めてきた伊勢神宮。正式名称は「神宮」で、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祭る内宮(皇大神宮)と、豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祭る外宮(豊受大神宮)を中心に、別宮等を合わせて125のお社からなる。この地に魅了されているのが、PRの中野聡美さんだ。
「はじめて訪れたとき、こんなに神秘的な場所があるんだと衝撃を受けました。以来、20年近く通い続けています」
伊勢神宮は外宮から参拝するのが習わし。天照大御神の食事を司る神として迎えられた豊受大御神は食物の神様として、ひいては衣食住、産業の守り神として敬われてきた。参道を進むと右手に見えてくる正宮では、日々健やかに過ごせることへの感謝を捧げたい。
第一鳥居。伊勢神宮の鳥居は反りがなく、貫(ぬき)が左右の柱を貫通しない「神明(しんめい)鳥居」。鳥居をくぐる際は軽く礼を。
正宮(しょうぐう)
内宮創建から500年後に迎えられた豊受大御神がご祭神。1500年にわたり、毎日朝夕「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」が行われ、「国安かれ、民安かれ」と祈りが捧げられている。正殿(しょうでん)(本殿)は4重の御垣(みかき)に囲まれた最奥。
正宮の鳥居。この内側が御垣内(御垣内)とよばれる聖域だ。
多賀宮(たかのみや)
外宮の第一別宮で、豊受大御神の荒御魂(あらみたま)(ご神霊のひとつの側面で、活動的で荒々しい神威を表す)が祭られている。外宮神域内の石段を登った上にあり、古くは「高宮(たかのみや)」とも。
多賀宮へ続く石段は98段。登れない人のために遙拝所(離れた場所から拝むための場所)もある。
多賀宮。現実的な後押しをしてくれるともいわれ、個人的なお願いごとはこちらで。鄭重な祈願は神楽殿でご祈祷をあげるとよい。
手水舎で清めてからお参りを。
土宮(つちのみや)
外宮一帯の地主神で、宮川の治水・堤防の守護神でもある大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)がご祭神。ほかの別宮は南向きに社殿が立っているのに対し、土宮だけは古来のまま東に面している。
東向きの土宮。伊勢神宮の社殿は「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」で、内宮と外宮で造りが異なる。
風宮(かぜのみや)
風雨を司る・級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)がご祭神。農作物が風雨による被害を受けず順調に育つよう、祈りが捧げられる。鎌倉時代の元寇では、神風を吹かせて日本を救ったとされている。
西から見た風宮。手前は遷宮で社殿が建てられる御敷地(みしきち)。
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