「ケリをつける」ポーズで、自分の考えを整理する。【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
あえて、自分の手でケリをつけて次に進むこともありますよね。
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
〈ケリをつける〉“落ち着け、自分! 前後開脚して言い聞かせる。効果、あります。”
私のこのポーズ、カギカッコに見えるでしょうか。あるいは、ブックスタンド。そう見えれば、大成功! なぜなら、今回は「ケリをつける」「区切りをつける」ことを、カラダを通して学びたいからなのです。
拒絶の言葉? と感じるかもしれませんね。でも違います。整理整頓の意味に近いかもしれません。
たとえば、何かのテーマで議論をしたときに、ある意見が出たとします。自分とは違う意見だけれど、2割くらいは賛同できる。そのとき、すべてを否定するのは、拒絶ですね。一方で「いい視点をもらった」と取り入れることもできます。そんなとき、8割は私の考え、ここからはAさんの考えと、頭の中で整理整頓をするのが習い性になっています。なぜなら私は、感情に左右されたくないからなんですね。
好き嫌いって、実は、とても強い感情です。気持ちが浮き足立ち、前向きな判断がしにくくなる。頭ではよい考えと思っても、「この人の意見は聞きたくない」という余計なバイアスが判断を誤らせてしまうことがあります。
だから、何ごとかあると私は、
「ちょっと落ち着け、自分!」
そう唱えて、前後開脚をするんです。
新年度。3月までの自分にケリをつけるのもよし。一日の終わりに前後開脚でリセットするのもよし、です。
前後開脚
両手を床につき、片方のひざを曲げ、反対の脚を後ろに伸ばして床につけます。少しずつ前のひざを伸ばし、脚を床につけます。両手を天井へ伸ばして、深い呼吸で8秒キープ。1日1回。ただし、ムリは禁物。立ったまま前後に脚を開いて、腕を上げるだけでもよいですね。
『クロワッサン』1114号より