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山種美術館館長の山﨑妙子さんが手みやげに推薦!『山種美術館 Cafe椿』の「和菓子」

撮影・青木和義 文・辻さゆり

日本画をモチーフにした和の色合いと、やさしい味。

写真は3月9日〜5月6日に開催される『【特別展】花・flower・華 2024』のために作られた和菓子。左上から時計回りに「はなの香り」「花よりほかに」「まさり草」「ひとひら」「雨あがり」。1個710円。テイクアウトは2個から。
写真は3月9日〜5月6日に開催される『【特別展】花・flower・華 2024』のために作られた和菓子。左上から時計回りに「はなの香り」「花よりほかに」「まさり草」「ひとひら」「雨あがり」。1個710円。テイクアウトは2個から。

近代・現代の秀逸な日本画コレクションを所蔵する東京・広尾の「山種美術館」。館長の山﨑妙子さんがよく手みやげにしているのは、展覧会ごとに和菓子の老舗『菊家』に特別にオーダーして作ってもらっている色とりどりの和菓子だ。

「当館は1966年の開館以来、約30年にわたってお茶室を併設しており、お茶会の和菓子を『菊家』さんにお願いしていました。そのご縁もあって、2009年に広尾に移ってからは、展示する作品をモチーフにした和菓子を、毎回5種類作っていただいています。その際、大切にしているのは絵の再現性ではなく、絵の持つ雰囲気やコンセプトです」

3月9日から始まる『【特別展】花・flower・華 2024』では、作品に描かれた花をモチーフにした和菓子を楽しめる。その中の一つ「ひとひら」(写真手前中央)は、奥村土牛(とぎゅう)が描いた〈醍醐〉のしだれ桜をモチーフにしたものだ。

「一般的な桜餅の餡は黒色ですが、これは柚子餡にして、桜の花びらをかたどったピンク色と合わせました。緑とピンクは着物や帯の組み合わせでも見られる“和”独特の色合いです。5つの和菓子は色や形はもちろんのこと、餡の種類も変えているので味わいも楽しめます」

手みやげを選ぶ基準は「特別感のあるもの」。そして、基本的は“和”のものを選ぶようにしている。

「この和菓子も一つ一つ手作りされた、展覧会の期間だけ買える特別なもの。カフェやショップだけの利用も可能なので、手みやげで買っていかれる方も多いです。手みやげにする時にモチーフとなった作品についてもお伝えすると『作品を見てみたくなった』とおっしゃってくださる方もいらっしゃいます。日本画は敷居が高いと思われがちですが、和菓子が入り口になって、もっと多くの方に触れていただけるとうれしいですね」

山種美術館館長の山﨑妙子さんが手みやげに推薦!『山種美術館 Cafe椿』の「和菓子」

●山種美術館 Cafe椿(やまたねびじゅつかん カフェつばき)
東京都渋谷区広尾3・12・36 
TEL.090・5202・7887 
営業時間:10時30分〜17時(美術館は10時〜17時)
月曜休(祝日は営業、翌火曜休)

  • 山﨑妙子

    山﨑妙子 さん (やまざき・たえこ)

    山種美術館館長

    東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。1991年、山種美術館特別研究員。副館長を経て2007年、館長に就任。著書に『速水御舟の芸術』(日本経済新聞社)など。

『クロワッサン』1103号より

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