くらし

仁平 綾さんが手みやげに推薦! 「米菓匠 紫芳軒 おかきとWaカフェ」の「無味」

  • 撮影・黒川ひろみ 文・辻さゆり

材料はもち米のみ。お米そのものの味を楽しむおかき。

米菓匠 紫芳軒 おかきとWaカフェの「無味」

9年間ニューヨークに住み、昨年帰国して京都に居を定めた仁平綾さんお薦めの手みやげは、あられやおかきの専門店『紫芳軒』の〈無味〉だ。

「上賀茂神社が近い北区に引っ越してすぐ、近所を散歩しているときに偶然発見した店です。〈無味〉はご主人が炭火で一枚ずつ手焼きしているそうで、塩などの調味料は付けず、材料は『もち米、以上!』という感じ。
“味が無い”ってどういうことだろうと思って買って食べてみると、しっかりとお米の味がするんです。
炭火で焼いているから香ばしさもあって、それが調味料のような風味を添えていて、すごくおいしい。感動して、京都に遊びに来た友人に渡したり、東京に行く際の手みやげにするなど、ことあるごとに買って配りまくっています」

『紫芳軒』は、昭和21年に四条河原町で創業。当初は甘味も扱う菓舗だったが、次第にあられやおかきが中心となり、昭和30年代に米菓専門店となった。〈無味〉は先代が商品化したもので、40年以上継続している人気の商品だ。

「高血圧で塩分を控えなくてはならなかった先代が、自分と同じような病を抱えている人にもおかきを楽しんでもらいたいと作り始めたそうです。それにしても、〈無味〉と名付ける発想がすごい! その勇気をまず称えたいですね」

最近、仁平さんが興味を持っているのが骨董だ。

「私は骨董的な価値にはあまり興味がなくて、柄がおもしろかったり、かわいいと思う器を、蚤の市などで買って少しずつ集めています。夜、小さな骨董のお皿をいそいそと出して〈無味〉を盛り、ウイスキーと共にネットフリックスを見るのが日々の楽しみ(笑)。ウイスキーはロックにしたり、上賀茂神社でくんできた水で割ったりしています。〈無味〉はウイスキーにもよく合うんですよ」

〈無味〉は近江羽二重餅を炭火で、店主自ら一枚一枚手返しで焼き上げている。70g 756円。

米菓匠 紫芳軒 おかきとWaカフェ(べいかしょうしほうけんおかきとわカフェ)
京都市北区大宮南椿原町8・1
TEL.075・495・4685
営業時間:10時〜18時、日曜休。
店舗に併設されているカフェコーナーではおかきとドリンクのセットも。個別発送にも対応。
https://www.arare-ya.com/

仁平 綾

仁平 綾 さん (にへい・あや)

エッセイスト

千葉県生まれ。NY州ブルックリンに9年間滞在し、NYにまつわる著書を多数出版。2021年に帰国し、住んでみたかった京都へ。近著に『ニューヨーク、雨でも傘をさすのは私の自由』(大和書房)。

『クロワッサン』1079号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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