海藻の中でも食物繊維の含有量がダントツ、あらめの健康効果と3つのおすすめレシピ。
海藻に詳しい宮下和夫さんにあらめの健康効果を聞きました。
カノウユミコさんのレシピと一緒に紹介します。
撮影・青木和義(カノウユミコさん、料理) 文・葛山あかね スタイリング・渡邊美穂(料理) 器協力・UTUWA TEL.03-6447-0070
ひじきによく似た食感の持ち主。 わかめや昆布より食物繊維を豊富に含みます。
肉厚で、歯応え充実。加熱調理がおすすめ。
海藻のなかでもマイナーなのがあらめ。その名前をはじめて耳にする方も多いのでは。
「これまで認知度が低くてもったいないと思っていました。イメージは……幅広のひじき、かな」とカノウさん。
宮下さん曰く、「栄養的な特長といえば、一番は食物繊維の含有量。乾燥重量100g当たり約60gを含んでいます。わかめや昆布が30~40gですから、その多さがお分かりでしょう」
肉厚で、歯応えもしっかり。食感豊かな海藻である。実感としてはわかめよりは硬く、昆布より柔らかといったところ。
「歯応えがあるあらめは生ではなく、加熱調理がおすすめです。ひじきと同じく、煮物にしてもいいし、オリーブオイルで炒めて塩をふるだけでもおいしいですよ」
さらに、考え方としては魚介類=あらめでもいいとか。
「同じ海のものですから、たとえば海老や蛸の代わりにあらめを入れてアヒージョにしてもよし、ムール貝の代わりにしてパエリアを作ってもおいしい」
ほかの海藻同様に、あらめもまたイタリアンやフレンチ、エスニックなどにも使える。
「手軽でおいしいのは炊き込みご飯でしょうか。まずはここから始めてもいいかもしれませんね」(カノウさん)
(おかず)あらめときのこのアヒージョ
たっぷりのきのこと一緒にオイルで煮込んだスペイン料理。ポイントは煮すぎないこと。さっと火を入れるだけで風味豊かなおいしさに。わざわざ蛸や海老を用意しなくても、これならヘルシーに楽しめる。
【材料(2人分)】
あらめ(袋の表示に従い戻して食べやすく切る)…… 7g(乾燥)
しいたけ(縦に4等分)…… 3枚(50g)
オリーブオイル …… 1/2カップ
にんにく(つぶす)…… 1片
赤唐辛子 …… 1本
塩 …… 小さじ1/3(加減する)
醤油 …… 少々
【作り方】
すべての材料を小鍋に入れて、沸騰後2~3分弱火で加熱する。
(常備菜)あらめと油揚げの梅風味煮浸し
シンプルながら、滋味豊かな和の一皿。
煮立てた後、冷ますことで味があらめに染み込みます。
【材料(作りやすい分量)】
あらめ(乾燥、袋の表示に従い、戻して食べやすく切る)…… 7g
油揚げ(細切り)…… 1/2枚
A 昆布だし …… 1カップ
梅干し(種をとってたたく)…… 大きめ1個
醤油 …… 小さじ2(梅干しの塩分によって加減する)
青じそ(せん切り)…… 3枚
※昆布だしは市販の昆布の顆粒だしを水に溶いて手軽に
【作り方】
1.鍋にあらめ、油揚げ、Aを入れ、沸騰したら弱火で30秒煮る。そのまま冷ます。
2.煮汁ごと器に盛り、青じそを散らす。
(パスタ・麺・ごはん)あらめとごぼうの炊き込みご飯
ごま油で炒めてから炊くことで風味豊かな仕上がりに。
ごぼうに負けないあらめの食感に驚くはずです。
【材料(作りやすい分量)】
あらめ(乾燥、袋の表示に従い、戻して食べやすく切る)…… 10g
ごぼう(ささがき)…… 20cm
油揚げ(せん切り)…… 2枚
ごま油 …… 小さじ2
米(洗ってザルにあげる)…… 2合
醤油 …… 大さじ2弱
塩 …… 少々
昆布だし …… 適量
※昆布だしは市販の昆布の顆粒だしを水に溶いて手軽に
【作り方】
1.フライパンにごま油を熱し、ごぼうをじっくり炒め、あらめを加えてさっと炒める。
2.炊飯器に米、醤油、塩を入れ、2合の目盛りまで昆布だしを入れる。1と油揚げを加え普通に炊く。
『Dr.クロワッサン 強い腸をつくる、発酵食の摂り方大百科。』(2021年2月18日発行)より。