暮らしに役立つ、知恵がある。

 

乾物、缶詰、練り物、豆製品を使って手間をかけずに素早く出来る、11のおつまみレシピ。

さっと和えたり、炙ったり。
お酒がすすむ味に仕上げるコツさえつかめば、手間をかけずとも市販品を使って気の利いた一品が素早く完成!

撮影・黒川ひろみ 構成&文・中條裕子

唎酒師の資格を持ち、日本酒はもちろんビールも大好きという吉田愛さん。「この組み合わせは間違いなし!」な、おつまみ作りはまさにお手のもの。市販品を使って手軽に、でもお酒と合わせる一品に仕上げるには、ちょっとしたコツがあるのだという。

「たとえば、納豆とアボカドを和えるだけなら、ご飯にもよく合うおかず。そこに海苔を添えると、お酒と一緒に楽しめるおつまみになります」

たっぷりの量でなくてもよいものだから、味がしっかり決まっていることが大事。かつ、手間をかけずにささっとできれば、言うことなし。

「ごま油、わさび、レモンといった、味のアクセントになるものを加えると、おつまみ感が出てきます。いつものポテトサラダにも、粒マスタードをひとさじ加えるだけで、あっという間にお酒がすすむひと皿に」

豆腐+ザーサイのナムル

漬物のほどよい塩気とラー油の辛味が、ビール、日本酒、焼酎といった和の酒と好相性。やっことは違う豆腐のおいしさにハマること請け合い。
漬物のほどよい塩気とラー油の辛味が、ビール、日本酒、焼酎といった和の酒と好相性。やっことは違う豆腐のおいしさにハマること請け合い。

ザーサイの旨みと食感が絡んで豆腐がお酒の供に早変わり。

木綿豆腐1/2丁をくずして厚手のペーパータオルではさみ、水気をふきとる。粗みじん切りにしたザーサイ大さじ1、白すりごま・ごま油各小さじ1、おろしにんにく・塩各少々と和える。器に盛り、ラー油適量をかける。

ちくわ+きゅうりの梅おかか

ちくわを斜め薄切りにするのがポイント。きゅうりと一緒に合わせて食べやすくなる。梅とおかかの風味は、日本酒が思わずすすむ味。
ちくわを斜め薄切りにするのがポイント。きゅうりと一緒に合わせて食べやすくなる。梅とおかかの風味は、日本酒が思わずすすむ味。

梅の風味をまとったきゅうりとちくわの取り合わせが絶妙。

ちくわ2本ときゅうり1本はそれぞれ縦半分に切ってから斜め薄切りにし、たたいた梅肉1個分、鰹節小1袋(約2g)、醤油少々と和える。

塩昆布+鯛の和えもの

締めたり、和えたり、もともと昆布と相性のよい鯛。塩昆布を使うと調味料もいらず、あっという間にひと皿が完成。レモンを添えて、日本酒と。
締めたり、和えたり、もともと昆布と相性のよい鯛。塩昆布を使うと調味料もいらず、あっという間にひと皿が完成。レモンを添えて、日本酒と。

万能調味料の塩昆布とごま油が鯛の風味を引き立てる一品。

鯛の刺身100g、塩昆布大さじ1、ごま油小さじ1と和えて器に盛り、好みでレモン汁をかける。

キムチ+たことわかめの和えもの

そのままではしょっぱいキムチも、たこと合わせるとちょうどよい塩梅に。炒めずとも充分おいしい。ビールはもちろん日本酒にも。
そのままではしょっぱいキムチも、たこと合わせるとちょうどよい塩梅に。炒めずとも充分おいしい。ビールはもちろん日本酒にも。

和食で定番の組み合わせ、キムチを加えれば酒の肴に。

袋の表示どおりに水でもどした乾燥わかめ大さじ1、そぎ切りにした茹でたこ80
g、キムチ100gを和える。

かまぼこ+わさび入り海苔佃煮

日本酒片手に楽しむ蕎麦前でおなじみの、板わさ。これに海苔が合わないわけはなし。甘辛の佃煮に隠し味のわさびがピリッと香る。
日本酒片手に楽しむ蕎麦前でおなじみの、板わさ。これに海苔が合わないわけはなし。甘辛の佃煮に隠し味のわさびがピリッと香る。

定番中の定番、板わさに加えたおいしいひと工夫。

1cm幅に切ったかまぼこ適量を器に盛り、海苔の佃煮適量にわさびを少量加え混ぜたものを添える。

鮭缶+パクチーのせ

唐辛子の辛味を効かせたエスニック風味は、焼酎や日本酒からビール、ワインと幅広いお酒に合う万能のアテ。レモンをかけるとさわやかに。
唐辛子の辛味を効かせたエスニック風味は、焼酎や日本酒からビール、ワインと幅広いお酒に合う万能のアテ。レモンをかけるとさわやかに。

缶を器代わりにした気軽さも楽しいエスニックなつまみ。

鮭の水煮缶1缶(180g)にみじん切りにしたにんにく1/2かけ、赤唐辛子適量、オリーブオイル小さじ1を入れてトースターで7~8分加熱する。ナンプラー小さじ1/2を回しかけ、刻んだパクチー適量をのせる。好みでレモン汁をかけても美味。

納豆+アボカドの海苔巻き

ご飯ばかりでなく、実は日本酒にも合う納豆。とろりとした食感のアボカドと合わせ、海苔を添えて。納豆は小粒やひき割りがおすすめ。
ご飯ばかりでなく、実は日本酒にも合う納豆。とろりとした食感のアボカドと合わせ、海苔を添えて。納豆は小粒やひき割りがおすすめ。

おいしいコンビを海苔で巻く、だけで気の利いた酒の伴が。

1cm角に切ったアボカド1個と納豆1パックをさっと和えて器に盛る。白いりごま適量をふってわさび醤油適量をかけ、食べやすく切った焼き海苔を添える。

うずら水煮+青じそベーコン巻き

ビールや焼酎ソーダ割りによく合う串が、うずら水煮を使えばあっという間に完成。青じその香りを効かせて、お好みでこしょうや七味を。
ビールや焼酎ソーダ割りによく合う串が、うずら水煮を使えばあっという間に完成。青じその香りを効かせて、お好みでこしょうや七味を。

シュワッと弾ける1杯にぴったりなひと口サイズの串物。

縦横半分に切ったベーコン1枚に縦半分に切った大葉1枚、うずら卵の水煮1個をおいて巻き、巻き終わりを串でさす。同様にもう1個作って刺す。これを4本分作り、サラダ油をひいたフライパンで両面に焼き色がつくまで焼く。

切り干し大根+ツナのマスタード和え

煮物の印象が強い切り干し大根を、水で戻すだけでサラダ風に。特有の食感とマスタード風味で、ワインや日本酒がすすむこと間違いなし。
煮物の印象が強い切り干し大根を、水で戻すだけでサラダ風に。特有の食感とマスタード風味で、ワインや日本酒がすすむこと間違いなし。

ツナの旨みと粒マスタードの風味が染みたぽりぽりの大根。

切り干し大根20gを水で5分間戻して水気を絞り、汁気を切ったツナ缶1缶(17g)、粒マスタード小さじ2、オリーブオイル小さじ1と1/2で和える。

クリームチーズ+ラムレーズンのパテ

これはもうワイン! つまみの定番、チーズ、ナッツ、レーズン。3つを合わせ、ラムの風味とはちみつの甘さでまとめたクリーミーなパテ。
これはもうワイン! つまみの定番、チーズ、ナッツ、レーズン。3つを合わせ、ラムの風味とはちみつの甘さでまとめたクリーミーなパテ。

ラムの風味が香るクリーミーなパテをクラッカーにのせて。

クリームチーズ70gにレーズン15g、粗く砕いたくるみ10g、ラム酒・はちみつ各小さじ1を合わせ混ぜる。器に盛ってクラッカー適量を添える。

はんぺん+ねぎ味噌マヨ焼き

マヨネーズでまろやかさとコクが加わった味噌に火が通り、こんがり香ばしい味わい。七味をぱらりと振って、日本酒や焼酎のお湯割りと。
マヨネーズでまろやかさとコクが加わった味噌に火が通り、こんがり香ばしい味わい。七味をぱらりと振って、日本酒や焼酎のお湯割りと。

ふんわり優しいはんぺんと香ばしい味噌味がクセに。

4等分に切ったはんぺん1枚にマヨネーズ大さじ1と味噌小さじ1/2を混ぜた味噌マヨをぬり、長ねぎの小口切り4cm分をのせてトースターで焼き色がつくまで焼く。器に盛って鰹節、七味適量をかける。

  • 吉田 愛

    吉田 愛 さん (よしだ・あい)

    料理家、唎酒師

    本格和食からおつまみまで幅広く提案し、雑誌やメニュー開発などで活躍中。近著に『"だし"を使わなくてもおいしい煮もの』など。

『クロワッサン』1097号より

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