体を温める、おろし生姜のみぞれ鍋風常夜鍋【井澤由美子さんの薬膳レシピ】
撮影・青木和義 スタイリング・矢口紀子
【生姜】体を温める食材の代表、熱して食べると冷えが改善。
体を温める〈温性〉食材の代表格、生姜。辛味成分のジンゲオールが加熱することでショウガオールに変わり、体を芯から温める。特徴的な辛味は加熱すると和らぐので、みぞれ鍋風にたっぷり入れたい。
栄養素の多い小松菜は、肝の解毒作用や貧血予防に有効。疲労回復効果の高いビタミンB1豊富な豚肉と合わせて滋養度アップ。
おろし生姜のみぞれ鍋風常夜鍋
【材料(2人分)】
おろし生姜 適量(写真は大2かけ)
豚肉(ロースしゃぶしゃぶ用)280g
小松菜 1束
酒 大さじ2
昆布(3×4cm) 1枚
即席ポン酢[醤油に柚子少々を搾る。鰹節少々を加えても]
【作り方】
1.鍋に適量の水を張り、昆布を入れて温める。
2.酒を加え、5cm長さに切った小松菜の茎の部分を入れて煮る。
3.葉と豚肉を加え、生姜を落とす。ポン酢でいただく。
薬膳の知恵を、美味しく食べる。
中医学の考えでは、食物には体を冷やすものと温めるものがある。今の季節に摂りたいのは温性・熱性の食材だ。
「そして特に女性には、巡りのよい体のために『肝腎かなめ』を心がけてほしいなと思います。五臓のうちの肝と腎をケアする必要があるということ」
と、料理家で国際中医薬膳師、国際中医師の井澤由美子さん。
「肝は体の巡りを司ります。肝を養うと血流がスムーズになる。逆に弱ると自律神経に不調が出て、イライラや不安などの原因に。肝によい食べ物はニラ、春菊、ターメリック、人参、あさり、今ならゆずもいいですね」
そして腎は、体を温めるヒーターの役割をする。ここが弱ると老化が早まり、腰痛や白髪を引き起こす。
「腎をいたわるのは黒い食べ物。黒ごまや海藻類を積極的に摂りましょう」
『クロワッサン』1059号より