暮らしに役立つ、知恵がある。

 

お弁当にも。鶏肉の粕漬け【こてらみやさんの京のおばんざいレシピ】

京の台所には身近な食材を活かしつつ、バラエティ豊かに味わう知恵が伝わっています。朝昼晩の主役はもちろん、お弁当や作り置きにも。

撮影・小川朋央 文・松本あかね

[鶏]

下味をつけるひと手間で香りよく、旨味も凝縮。

鶏肉の粕漬け

お弁当にも。鶏肉の粕漬け【こてらみやさんの京のおばんざいレシピ】
肉のひだの奥まで行き渡らせるには、鶏肉と粕床を厚手のポリ袋に入れ、上から揉み込む。空気を抜いて冷蔵庫へ。
肉のひだの奥まで行き渡らせるには、鶏肉と粕床を厚手のポリ袋に入れ、上から揉み込む。空気を抜いて冷蔵庫へ。
お弁当にも。鶏肉の粕漬け【こてらみやさんの京のおばんざいレシピ】
肉のひだの奥まで行き渡らせるには、鶏肉と粕床を厚手のポリ袋に入れ、上から揉み込む。空気を抜いて冷蔵庫へ。

むね肉がしっとり。多めに漬けてお弁当にも。

【材料(作りやすい分量)】
鶏もも肉、鶏むね肉 各1枚(合わせて約600g/下味:塩 小さじ1弱 砂糖 小さじ1 酒 小さじ1)
九条ねぎ 1本
粕床[酒粕(板粕)200g 酒 大さじ2 みりん 大さじ2 水 大さじ2 しょうゆ 大さじ1と1/2]
サラダ油 少々
塩 少々

【作り方】
1.
鶏肉は余分な脂を取り除き、1枚を2等分にして下味を揉み込んでおく。
2.酒粕はちぎって細かくほぐす。粕床の材料をフードプロセッサーにかけるか、すり鉢であたってペースト状にする。
3.水分を拭き取った1に2をなじませ、厚手の丈夫なポリ袋に入れて揉み込み、最低でも1日漬け込む。
*長く漬け込みすぎると硬くなるので、最長5日ぐらいで粕床をぬぐい取ってラップで包み、冷凍保存する。
4.肉についた粕床を手でぬぐい、さっと水で洗う。水気をしっかり拭き取り、弱めの中火で熱してサラダ油をひいたフライパンに皮目を下にして入れる。脂が出てきたらペーパータオルで拭き取りながら両面とも焦がさないように焼く。食べやすく切ったねぎも一緒に焼いて塩で味付けする。

「おばんざいは特別なものではなく、京都の家庭で当たり前に食べている普段のおかずのことです」と話すのは、京都育ちのこてらみやさん。

「特別な材料や調味料は使わないけれど、出汁を含ませたり、相性のいい食材と合わせたり、時には食感を変えて、飽きずにおいしくいただくための工夫をいつも心がけています」

その精神はおなじみの食材にこそ発揮される。「豆腐なら凍らせて炒り豆腐に、崩してサラダ、つぶして餃子に。肉代わりとしても重宝します」

いつもの唐揚げも山椒の香りをまとうとぐっと大人の味。卵料理が昼ごはんの主役を張るのも京都ならでは。食材の滋味をとことん引き出す「おばんざい」の知恵をお試しあれ。

  • こてらみや

    こてらみや さん

    料理家

    休日はベランダ栽培の果物やハーブを使った瓶詰め作りを楽しむ。『生姜屋さんとつくった まいにち生姜レシピ(仮)』(池田書店)が9月刊行予定。

『クロワッサン』1052号より

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