「逃げ恥」家事を監修したプロが教える、家の暮らしが楽しくなる小さな片付けアイデア。
撮影・青木和義 文・田辺 香
髙橋ゆきさんは家事代行サービス会社の経営者だけでなく、世界初となる家事大学の学長を務めるなど幅広く活躍。
さらには、大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)、昨年話題だったドラマ『極主夫道』(日本テレビ系)で家事監修を担当。
掃除や片づけ、家事全般の知識や独自の発想力を生かし、さまざまなメディアに引っ張りだこだ。そんな髙橋さんの原点は高校生時代に遡るという。
「両親が共働きでほとんど家にいなかったので、私は生まれてからずっと母方の祖母と同居していました。
高校生の時、その祖母が脳梗塞を患って倒れてしまったんです。以来、家事をするようになって。
でも当時は高校のダンス部に入っていて、朝から晩まで踊っていたいし、朝練も出たい。そこから、いかに時間を短縮して効率よく、安全な家事をするかを日々考えるようになったんです」
現在に繋がる家事グッズのアイデアを最初に生み出したのも当時、祖母をお風呂に入れる時のことだった。
「低いお風呂の椅子に祖母を抱きかかえて座らせるのが大変で、パイプ椅子を用意しました。でもパイプが滑るので水やり用のホースを切ってパイプ部分にはめたんです。するとストッパーになり滑らなくなって。そうやって実践してきたことが今も役立っているんだろうと思います」
今回紹介してくれたアイデアはすべて髙橋さんの考案。身近なものを上手に活用する髙橋さんならではの工夫と技が満載だ。
なくしがちな予備ボタンをフェルトで可愛く保管する。
洋服についてくる予備ボタン。溜まりがちで、どの洋服のボタンだったか分からなくなることも。
「フェルトに留めておくと探しやすいです。100円ショップで売っているものでOK。たとえば、金ボタンはピンク色に、と決めて留めれば、より探しやすくなります」
頻繁に使うマスクは 〝飾る収納〟で効率的に。
毎日使用するマスクの中でも、洗って使うタイプのマスクは、洗濯したあとの置き場所を清潔にきちんと確保しておきたいもの。
「可愛い柄物のマスクをいただくことが多く、私はその日の気分や洋服に合わせ、たいてい1日3回は付け替えます。いろいろ考えた結果、すぐ使えるように壁に飾ることに。画鋲一つで整理できてラクなのと、一目でわかりやすいのもメリット。透明な画鋲で統一してもいいし、カラフルな画鋲をたくさん使うのも素敵だと思います」