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物を減らせない人向け、4ステップで実現する「捨てない片付け術」。

物を減らせないから片づけは苦手……と諦めていませんか? 今までの片づけ法に挫折した人のために「捨てない片づけ」を紹介!

撮影・森山祐子 イラストレーション・大田垣晴子 文・長谷川未緒

捨てない片づけのメリット

◆物を捨てるストレスを感じずに済む。
◆丁寧な分類と収納でリバウンドしにくい。
◆まとまった時間がなくても片づけられる。
◆愛を感じるものに囲まれた空間が作れる。

今までの片づけ術は、物を減らすことを推奨する方法が多かったが、整理収納アドバイザーの米田まりなさんが提唱するのは「捨てない片づけ」だ。

「使う・使わない等の2択で判断し、不用品はすぐに処分というのは、物を大切にする人や物への愛着が強い人にはストレスフル。捨てることをゴールにせず、持ち物を使用頻度、愛情の有無等で細かく分類し、最適な場所に収納することで、気持ちや状況に合った、リバウンドしにくい片づけができます」

丁寧に物と向き合い、手放すと判断した場合も捨てなくていい。譲る、寄付、売る等で終わると、捨てるのとは違う感覚で処分できるという。

4ステップで実現する「捨てない片づけ」。今回は「物は捨てずに壊れるまで使い続けるタイプ」と自認する大田垣晴子さんが挑戦! 結果やいかに。

米田まりな(こめだ・まりな)さん●サマリー社 整理収納アドバイザー。自身の経験や、100万人の〝モノデータ〟を扱うサマリー社で行った消費者調査を元に、「捨てない片づけ」を提唱。片づけ術の著書も。
米田まりな(こめだ・まりな)さん●サマリー社 整理収納アドバイザー。自身の経験や、100万人の〝モノデータ〟を扱うサマリー社で行った消費者調査を元に、「捨てない片づけ」を提唱。片づけ術の著書も。

[STEP 1]全ての持ち物を把握し、片づけの段取りをつける。

大田垣晴子(おおたがき・せいこ)さん●イラストレーター。イラストとエッセイが融合した「画文」で、雑誌等で活躍。『四十路の悩み』ほか著書多数。夫と娘の3人暮らし。
大田垣晴子(おおたがき・せいこ)さん●イラストレーター。イラストとエッセイが融合した「画文」で、雑誌等で活躍。『四十路の悩み』ほか著書多数。夫と娘の3人暮らし。

片づけが苦手な人は、片づけをつい後回しにしがち。また、どこに何がどのくらいあるのか、把握していないことが多い。

ステップ1では全てのものをありのまま撮影して把握し、片づけの優先順位を決めて予定を組もう。片づけにかかる時間は縦・横・高さの計が100cmほどの段ボール箱ひとつにつき30分が目安だ。

「片づけは集中力を要するので、長くても1回3時間程度に。物とじっくり向き合うことで、勢いで捨ててしまうといった後悔をせずに済みます」(米田さん)

「週末などに掃除の日と決めて取り組みたいですね」(大田垣さん)

片づけの優先順位は下図のとおり。目障り度の高いものから順に片づけ始める。

片づけの優先順位

片づける順番は目障り度と使用頻度でマッピング。大田垣さんの優先順位は、服→日用品→資料→本→器→文房具に。
片づける順番は目障り度と使用頻度でマッピング。大田垣さんの優先順位は、服→日用品→資料→本→器→文房具に。
仕事部屋収納スペースの最上段には、使わないけれど捨てられない過去の原稿や資料を収納。
仕事部屋収納スペースの最上段には、使わないけれど捨てられない過去の原稿や資料を収納。
仕事机に置かれた文房具。毎日使うのと、入れ替えも頻繁にするため、よく片づいている。
仕事机に置かれた文房具。毎日使うのと、入れ替えも頻繁にするため、よく片づいている。
使いにくい場所にある収納スペースは、あまり使わないものや定位置がない日用品等をしまう。
使いにくい場所にある収納スペースは、あまり使わないものや定位置がない日用品等をしまう。
台所に置かれた収納ベンチ。「来客が多いので、器は比較的整理できています」(大田垣さん)
台所に置かれた収納ベンチ。「来客が多いので、器は比較的整理できています」(大田垣さん)
仕事部屋収納スペースの最上段には、使わないけれど捨てられない過去の原稿や資料を収納。
仕事机に置かれた文房具。毎日使うのと、入れ替えも頻繁にするため、よく片づいている。
使いにくい場所にある収納スペースは、あまり使わないものや定位置がない日用品等をしまう。
台所に置かれた収納ベンチ。「来客が多いので、器は比較的整理できています」(大田垣さん)

[STEP 2]収納場所から全部出して、使用頻度と愛情で分類。

ステップ1で優先順位が決まったら、1位から順に片づけていく。大田垣さんの場合は、寝室のクローゼットから(全体写真は次ページ)。

「手で触れたほうが判断しやすいので、全部出すことから始めます。次に使う・使わないで分類、さらに、使うものは使用頻度で、使わないものは愛情の有無で仕分けを。収納場所の大きさを考慮せず仕分けに専念することで、納得のいく判断ができます」(米田さん)

使わないし愛もないものは処分の検討を、使わなくても愛のあるものは残しておいていい。

「全部必要だと思っていましたが、仕分けたら、よく使うものや大切なものがわかりました」(大田垣さん)

「全部出すのか……。気が重いけど、出したら片づけるしかないですものね」(大田垣さん)
「全部出すのか……。気が重いけど、出したら片づけるしかないですものね」(大田垣さん)
衣装ケースや段ボール箱の中のものも全て出すのが基本。探していた大田垣さんのイラスト入りグッズや、存在を忘れていた日傘が出てきた。
衣装ケースや段ボール箱の中のものも全て出すのが基本。探していた大田垣さんのイラスト入りグッズや、存在を忘れていた日傘が出てきた。
「全部出すのか……。気が重いけど、出したら片づけるしかないですものね」(大田垣さん)
衣装ケースや段ボール箱の中のものも全て出すのが基本。探していた大田垣さんのイラスト入りグッズや、存在を忘れていた日傘が出てきた。

〈仕分け前〉

横120cm、高さ220cm、奥行き85cmのクローゼットに入っていたもの。スーツケース、洋服類、着物の帯、キャンプ用品など。
横120cm、高さ220cm、奥行き85cmのクローゼットに入っていたもの。スーツケース、洋服類、着物の帯、キャンプ用品など。

〈仕分け後〉

洋服を分類。使用頻度の高いコート、低いおしゃれ着、サイズが小さくなり使わない子ども服は、愛着のあるものとないものがあった。
洋服を分類。使用頻度の高いコート、低いおしゃれ着、サイズが小さくなり使わない子ども服は、愛着のあるものとないものがあった。
10着以上所有しているコート類。娘と共用できるようになり、捨てなくてよかった、と。
10着以上所有しているコート類。娘と共用できるようになり、捨てなくてよかった、と。
娘が小さかったときに作った服は、使わないけれど捨てられない愛着のあるもの代表。
娘が小さかったときに作った服は、使わないけれど捨てられない愛着のあるもの代表。
お気に入りの生地で作った、脱ぎ着させやすいよう面ファスナーで留められる子ども服。
お気に入りの生地で作った、脱ぎ着させやすいよう面ファスナーで留められる子ども服。
10着以上所有しているコート類。娘と共用できるようになり、捨てなくてよかった、と。
娘が小さかったときに作った服は、使わないけれど捨てられない愛着のあるもの代表。
お気に入りの生地で作った、脱ぎ着させやすいよう面ファスナーで留められる子ども服。
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