物を減らせない人向け、4ステップで実現する「捨てない片付け術」。
撮影・森山祐子 イラストレーション・大田垣晴子 文・長谷川未緒
捨てない片づけのメリット
◆物を捨てるストレスを感じずに済む。
◆丁寧な分類と収納でリバウンドしにくい。
◆まとまった時間がなくても片づけられる。
◆愛を感じるものに囲まれた空間が作れる。
今までの片づけ術は、物を減らすことを推奨する方法が多かったが、整理収納アドバイザーの米田まりなさんが提唱するのは「捨てない片づけ」だ。
「使う・使わない等の2択で判断し、不用品はすぐに処分というのは、物を大切にする人や物への愛着が強い人にはストレスフル。捨てることをゴールにせず、持ち物を使用頻度、愛情の有無等で細かく分類し、最適な場所に収納することで、気持ちや状況に合った、リバウンドしにくい片づけができます」
丁寧に物と向き合い、手放すと判断した場合も捨てなくていい。譲る、寄付、売る等で終わると、捨てるのとは違う感覚で処分できるという。
4ステップで実現する「捨てない片づけ」。今回は「物は捨てずに壊れるまで使い続けるタイプ」と自認する大田垣晴子さんが挑戦! 結果やいかに。
[STEP 1]全ての持ち物を把握し、片づけの段取りをつける。
片づけが苦手な人は、片づけをつい後回しにしがち。また、どこに何がどのくらいあるのか、把握していないことが多い。
ステップ1では全てのものをありのまま撮影して把握し、片づけの優先順位を決めて予定を組もう。片づけにかかる時間は縦・横・高さの計が100cmほどの段ボール箱ひとつにつき30分が目安だ。
「片づけは集中力を要するので、長くても1回3時間程度に。物とじっくり向き合うことで、勢いで捨ててしまうといった後悔をせずに済みます」(米田さん)
「週末などに掃除の日と決めて取り組みたいですね」(大田垣さん)
片づけの優先順位は下図のとおり。目障り度の高いものから順に片づけ始める。
片づけの優先順位
[STEP 2]収納場所から全部出して、使用頻度と愛情で分類。
ステップ1で優先順位が決まったら、1位から順に片づけていく。大田垣さんの場合は、寝室のクローゼットから(全体写真は次ページ)。
「手で触れたほうが判断しやすいので、全部出すことから始めます。次に使う・使わないで分類、さらに、使うものは使用頻度で、使わないものは愛情の有無で仕分けを。収納場所の大きさを考慮せず仕分けに専念することで、納得のいく判断ができます」(米田さん)
使わないし愛もないものは処分の検討を、使わなくても愛のあるものは残しておいていい。
「全部必要だと思っていましたが、仕分けたら、よく使うものや大切なものがわかりました」(大田垣さん)