ファッション通の女性が、スタイリッシュだと思う男性を挙げ、その人物にインタビューをした記事。キャッチコピーには<違いのわかる女たちが推薦する「男のおしゃれ」>とあります。
そのなかでピックアップしたのは、スーツ姿でびしっときめている高島屋専務(当時)の竹内清兵衛さんの言葉。写真を見るに、ごくスタンダードな着こなしのように見えますが、グレーのスーツに黒い革靴ではなく、バックスキンのイタリア風の靴を合わせるなど、さりげなく着崩しているところが粋です。
そんな竹内さんにとって、おしゃれとは「その人」が滲み出るもの。おしゃれだろうが、そうでなかろうが、服装にはどこかその人らしさが現れる。たしかに考えてみれば、たとえ同じシャツを身にまとっても、着る人によって体つきもしぐさも異なり、同じものには見えません。ファッションというのは、着る人を得て初めて完成するものといえるでしょう。
そこを突き詰めていけば、<やっぱり、おしゃれっていうのは心だと思いますね>と竹内さん。<グレー系の服には銀の、茶系の服には金の時計をする>というこだわりには、やはりこの人物ならではの細やかな気配りが、着こなしになって表に現れているのだと納得です。
※肩書きは雑誌掲載時のものです。