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男女揃って五輪出場!
7人制ラグビーの魅力とは?

母、働く女性などの顔をもつ女子セブンズ日本代表"サクラセブンズ"。私たちと同じように「日々を件名に生きる女性たち」と思えば、ぐっと身近に感じられるはず。

母、働く女性などの顔をもつ女子セブンズ日本代表”サクラセブンズ”。私たちと同じように「日々を懸命に生きる女性たち」と思えば、ぐっと身近に感じられるはず。© JRFU, Shuhei Fujita

文・岩瀬大二

2016年のリオ五輪から正式種目となった「7人制ラグビー」(以下7人制)。アジアに与えられた切符は、男女とも1枚のみという厳しく狭き門を突破しての五輪出場決定は、南アフリカ戦勝利に続く快挙!世界では満員のスタジアムを熱狂させ人気も高いけれど、残念ながら日本ではまだ知名度の低い7人制の魅力と、五輪への展望をご紹介。

圧倒的なスピード感、ノンストップの攻防。

15人制も7人制も、縦100m、幅70mというフィールドサイズは変わらない。人口密度が少なくなった分だけスペースが広く使えるため、選手それぞれが縦横無尽に駆け巡ることができる。そのため攻防は常にスピーディー。華麗なパスワークから相手を振り切ったり、一瞬のフェイントで抜きさってトライなど、痛快なシーンが続出する。走り回るだけにスタミナの疲弊もすごい。そこで試合時間は基本は前半7分、休憩1分、後半7分(大会決勝などでは各10分、休憩2分の場合も)で行われる。

ボールが止まる時間も少なく1試合の時間が短いので、スリリングな攻防が途切れず続く。これが15人制との最大の違いで、世界的な人気の理由だ。大まかなルールは15人制と一緒。スクラムを3人で組んだり、得点されたほうではなくしたほうからキックオフを行うなど多少の細かい違いは1、2試合見れば大体把握できるレベル。

ジャパンの魅力的な選手たち。

スキル、スピード、タフネス。これが揃ったスーパーアスリートが7人制の選手たち。その上でルックスまで良かったら…と「4拍子」揃った注目の選手が、男子では、松井千士(ちひと)。「7人制ラグビー イケメン」という検索ワードは彼が生んだようなもの。同志社大学3年生ながら、50m5秒7という卓越のスピードで日本のトライゲッターに成長。高校ラグビーの名門、大阪・常翔学園高で全国大会を制しただけに、15人制での活躍も期待されたが、自分の能力を生かす場として7人制を選択。今年が五郎丸なら、来年リオでは「ちひと」が流行語大賞になるかも?

女子では主将の中村知春。チームメイトからつけられたあだ名は「アニキ」。162cmという身長は女子ラグビーでは恵まれてはいないが、それを補って余りあるメンタルの強さと献身的なプレ、そして明るく素直な人柄で尊敬を集めている。3年前、競技人口わずか3,000人程度といわれていた時代、長年続けてきたバスケットボールから転進。転進半年で代表合宿に呼ばれる逸材も、国際試合でもまれ、悔し涙を流した。その後、努力を重ね、ついに勝ち得た栄冠だ。

勤務先は某大手広告代理店というプロフィールも異色。実は女子代表「サクラセブン」には、京大出身で大手出版社勤務、幼い子供を育てる主婦、高校で男子の名門ラグビー部の門を叩いた猛者、研究所勤務など多彩なプロフィールを持つ選手たちがいる。いろいろな人生を背負った彼女たちを、戦術眼と知性と根性を併せ持つこの主将が引っ張っていく。

世界レベルに近づき、追い越すジャパン。

ここ数年で魅力的なプレイヤーが揃った男女代表。五輪切符をかけて、男子は歴然とした実力差で予想通りの破竹の進撃だった。しかし、最大の関門であった香港に大苦戦。英国の伝統を引き継ぐアジアラグビーのルーツであり本場で、7人制では世界のトップクラスチームのひとつである。決勝の会場は、香港。前半、今大会初失点を喫すると、0-10で前半を折り返し。しかし後半4トライを奪って圧倒し栄冠を勝ち取った。

7人制の、世界でのトップグループは、南半球、オセアニア、欧州の強豪国などに加えて、アメリカ、ケニア、ポルトガル、ロシア、ブラジルなど、個人技で勝負できるチームも急成長。正確なランキングはないが、過去の実績から、日本は12番目~18番目ぐらいと位置付けられている。

女子は、アジアではカザフスタン、中国との三つ巴とされていただけに、両チームを破っての切符獲得というだけでも偉業。彼女たちの成長のスピードは世界からも恐れられるもので、今季は世界のトップ11チームだけが世界を転戦できる「女子セブンズワールドシリーズ」出場権をも獲得。もうすぐトップ10が見えてくるところまできた。男女ともに、ワールドカップに臨んだ15人制代表と同じ立場。さあ、南アフリカ戦のように、歴史を変える快挙となるか?

観客もめいっぱい楽しむのが7人制スタイル。

15人制よりも、膠着する時間や、ラックやモールといった反則がわかりにくい場面も少なく、ビギナーであれば単純に躍動する選手や点取り合戦だけでも充分に楽しめるのが7人制の魅力。両軍選手の個性もつかみやすい。そのため、世界では、観客席はスポーツ観戦であると同時にフェスティバル。仮装を楽しんだり、見知らぬ隣の観客と仲良くなって国を超えて応援しあったりと、独特のカルチャーがある。まずは15人制との差や細かいルールなどは考えずに、楽しくてスリリングな7人制の魅力を存分に味わってみてはどうだろう。

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