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産婦人科医・高尾美穂さんに学ぶ、更年期からの女性の体

閉経前後の数年間を機に、女性の体は大きく変わります。女性ホルモンの減少により心身のゆらぎを感じる人も多いこの時期、毎日を健やかに乗り切るには? その後に訪れる老年期とは? 体の変化を恐れずに、生き生きと暮らすためのヒントを集めました。

撮影・中島慶子 イラストレーション・花岡 幸 文・越川典子 

産婦人科医・高尾美穂さんに学ぶ、更年期からの女性の体

不正出血はがんのサイン?
暑くもないのに体がほてって汗がダラダラ…。
最近、ちょっとしたことでイライラします。
肩に腕、指…関節が動かしづらくなってきた。

ご機嫌な毎日のために、できることがあります

産婦人科医・高尾美穂さんに学ぶ、更年期からの女性の体

高尾美穂(たかお・みほ)さん
産婦人科医師、スポーツドクター、ヨガ指導者。イーク表参道副院長。女性の生涯の健康を支援するため、講演活動や各メディアに出演。stand.fm「高尾美穂からのリアルボイス」は、ほぼ毎日配信。再生1870万回を超える。

体も心も、思うようにならない。

今までの自分と違ってきた。

「更年期は、そんな不安をもつことが多いですね。でも安心してください。私たちは、正しく恐れることができる時代に生きているんです」と高尾美穂さん。

高尾さんの母親世代は、更年期のことを話題にすらできなかったが、2026年現在、政府の「女性版骨太の方針」には、女性の生涯にわたる健康支援に更年期の課題も含まれるようになった。ネットで検索すれば、情報もいくらでも手に入る。

「ただ一つ残念なのは、情報を得ても、行動に移す人が少ないこと。厚生労働省の調査によれば、不調を感じてから3カ月以内に婦人科を受診した人は、たった10%。2年以内に受診した人も20%です。これが今の女性のリアルなんですね」

更年期は、人生後半のQOL(生活の質)を左右する大事な時期でもあるのに。

「HRT(ホルモン補充療法)をはじめ、治療の方法はいくつかあります。新しい薬も出てきています。女性外来や更年期外来のように、専門知識のある婦人科医も増えています。問題なのは『じゃ、私の場合、どうしたらいいの?』という不安に対応しきれていないこと。医師としてもどかしいところで、婦人科に来てもらわないことには、どうにもならないんですね」

気になることが一つでもあったら、見て見ぬふりをしない。婦人科に行ってみる。それが自分を守ることだ、と高尾さん。

「正しい知識を手に入れるには、医師の情報が早くて確実です。眠れないのか、汗で悩んでいるのか、気持ちが落ち込んでいるのか、今あなたが困っていることを伝えましょう。HRTや漢方、その手前にはエクオールなど、選択肢はたくさんあります。その中から、自分で選ぶ。そして、効果があるかどうかを評価・判断して、医師と一緒に調整していきましょう」

HRTに対しては、いまだに抵抗がある、という人がいるのも確かだが。

「知っておいてほしいのは、HRTは更年期障害の標準治療だということ。保険適用で受けられます。実は、更年期症状って、閉経前の2年、閉経後の1年ほどの数年間がいちばん症状が重いんです。この時期だけでも使ってみるのも賢い方法です。更年期って、親世代がしてきたように、我慢してやりすごせてしまう。生死にかかわらないからです。でもね、イライラと不機嫌でいる時間、家にこもってじっとしている時間、もったいなくないですか?」

心も体も、もっとラクになっていい。仕事や家事のパフォーマンスが維持できて、毎日をご機嫌で暮らしてほしい。

「今の女性たちは、家庭の役割だけではすまないでしょう。育児もあるけど仕事もする。学校や地域のコミュニティとの関係もある。皆、忙しい。だから、人生全体を一緒に考えてくれる婦人科医と出会えればいいね、と思います」

そしてもう一つ、高尾さんからの提案。

「体のことと同時に、生活習慣や家庭での役割、仕事のやり方、人間関係についても見直してみませんか。そして、トータルに自分を元気にしていってほしい。更年期の女性は、知識も度胸もある。自分が積み重ねてきたことがたくさんあって、楽しい人生にできる伸びしろしかないのですから。応援しています!」

『クロワッサン』1175号より

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