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Vol. 35 “下肢静脈瘤”治療のスペシャリスト

今回は、下肢静脈瘤の専門クリニックをご紹介します。

お茶の水血管外科クリニック」院長の広川雅之先生は、
「下肢静脈瘤のような静脈の病気は、何科にかかったらよいか困っている患者さんが大勢おられます。本来は、“血管外科”を受診するべきですが、実際には血管外科という科は、ほとんど存在しません。当クリニックは血管外科という名前をクリニックとして初めてつけ、下肢静脈瘤専門クリニックとして開設いたしました」
と話します。

広川雅之先生

広川雅之先生

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」とは、足の血管がふくれて、こぶのようになる病気。
良性の病気ですので、治療をしなくても健康を損なうことはありませんが、自然に治ることはありません。
足に、こぶのような血管が目立つ見た目の問題や、だるさやむくみ、痛みなどの症状が日常的に起こります。

これらは1日中ではなく、長時間立っていたあとや、昼から夕方にかけて起こります。夜、寝ているときに起こる“こむら返り(足のつり)”も下肢静脈瘤の症状です。睡眠中の足のつりは、静脈瘤が軽症から少し悪くなるころによく起きます。

重症になると、湿疹や色素沈着などの皮膚炎ができたり、皮膚が破れたり(潰瘍)、出血を起こすことがあります。
原因には、妊娠・出産、長時間の立ち仕事、座り仕事、加齢などがあります。

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤

しかし、足の症状が全部、静脈瘤のせいかといえば、そういうわけではありません。
静脈瘤が多い50代~60代は、「変形性膝関節症」「脊柱管狭窄症」などの整形外科の病気のこともよくありますので、注意が必要。
この「お茶の水血管外科クリニック」は、下肢静脈瘤専門のクリニック日帰り手術による治療を中心として、最先端の“診断”と“治療”が受けられます。

待合室

待合室

診断は、重要です。下肢静脈瘤の患者さんの多くは、「良性だから放っておいていい」「弾性ストッキングを履いておけばいい」と言われます。
あるいは「すぐ手術しましょう。1週間の入院です!」などと一度は言われたことがあるといいます。

正しく治療するには、まず正しい診断を行うことが最も重要。
そのために、このクリニックでは患者さんから「症状、生活習慣」などの話を詳しく聞き、超音波(エコー)検査で下肢静脈瘤の詳しい診断をします。
これらを総合し、さらに患者さんの希望を含めて、最も適切な治療法を選択していきます。

診察室

診察室


手術室

手術室

下肢静脈瘤の治療で、いいニュースがあります!

2014年の今年、2つの新しい下肢静脈瘤の治療が保険適用となりました。
1つは波長1470nmレーザーによる「レーザー治療」、もう1つは「高周波治療」で、ラジオ波治療とも呼ばれています。
どちらも厚生労働省が正式に認可した治療で、「下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術実施施設」であれば、日本全国どこでも保険診療で治療を受けることができます

レーザー治療は、2011年にすでに保険適用となっていますが、使用できるレーザー装置は「波長980nmレーザー」のみでした。今までのストリッピング手術に比べれば、レーザー治療は、局所麻酔で日帰り治療ができ、痛みが少ないという長所を持っています。しかし、このとき(従来)の保険適用レーザーでは、一部の患者さんに痛みが出たり、治療した太ももに皮下出血が起こることが問題となっていました。

今回(2014年)、保険適用となった2つの治療(新しいレーザー治療と高周波治療)は、どちらも、従来の保険レーザーと較べて、治療後の痛みや皮下出血が非常に少なくなっています。
特に、「波長1470nmレーザー」は、治療後の痛みが“0%”という結果が出ています。
また、もうひとつの「高周波治療」も海外で行われた臨床研究で、波長1470nmレーザーとほぼ同じ結果です。

波長1470nmレーザー治療

波長1470nmレーザー治療

レーザー治療は、病気となった血管(静脈)に細い光ファイバーを通して、レーザー光で血管を中から焼く治療です。今回、保険適用となった「波長1470nmレーザー治療」は、血管に入れる光ファイバーが改良され、光ファイバーの先端ではなく、側面から360度レーザーが出るので、静脈が均等に焼け、確実にふさぐことができます。

高周波治療

高周波治療

高周波治療は、レーザー治療と同様、血管(静脈)に細い管(カテーテル)を入れて、内側から血管を焼く治療です。このカテーテルに高周波電流を流して、120℃に熱して7cmずつ血管を焼いていきます。一度に7cmずつ焼けるので、治療時間が短くてすみます。日本では初めて保険適用となりましたが、米国ではレーザー治療と同じように普及している治療です。

「私たちは、2002年に日本でレーザー治療が始まってから、より良い治療を求めて、さまざまのレーザー装置・光ファイバーを使ってきました。しかし、今回、保険適用された「波長1470nmレーザー治療」と「高周波治療」は、どちらも、今までのどのレーザー治療よりも痛みが少なく、安全な治療です。したがって、未認可のレーザー装置を使った自由診療のレーザー治療を選ぶ理由は全くなくなりました。現在、私たちのクリニックでは、全国の医療機関でこれらの治療が受けられるように、医師のトレーニングを行っています。今後は、全国の下肢静脈瘤に悩む患者さんが、保険で安全・安心な治療を受けられるようになります」
と話す、広川雅之先生。

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