酒粕をほぐして水で溶いた「ゆる粕」は、栗山真由美さんが太鼓判を押す漬け床のひとつ。酒粕といえば、粕汁や魚の粕漬けなどをイメージするが、ゆる粕はその名のとおりゆるいペースト状。魚はもちろん肉や野菜の下味にも仕上げにも用いることができ、毎日使える万能調味料だ。漬け床としても素材になじませやすく、少量の酒粕で充分深い味わいになる。
「ゆる粕に肉を漬けると、臭みが抑えられてうま味が増し、しっとりと柔らかくなります。それに、ゆる粕にかぎらず漬け肉レシピ全般に言えることですが、うま味や香りが増す分、塩や調味料をあまり足さなくても満足感のある味に仕上がり、結果的に減塩になるんですよ」
また、酒粕には防腐効果があり、ゆる粕みそに漬けた肉はお弁当にも活躍する。この漬け床自体も冷蔵庫で2週間ほど日持ちするので、たくさん作って保存してもいいし、その都度、使う分だけ作っても。
「今回のように味噌を加えると和の風味になり、コクが出ます。ゆる粕は和洋中どんな料理にも合うので、好みのハーブやスパイスを加えてアレンジしてみてください」
ただし、微量とはいえアルコールが含まれるので、子どもや妊娠中の人がいる家庭では注意が必要。
ゆる粕みそのつくり方
材料(作りやすい分量)酒粕50g 水60~80㎖ 味噌大さじ1
作り方 ①酒粕をちぎってボウルに入れ、水を加えて15分ほどおく。②酒粕がふやけてきたら、泡立て器で滑らかに混ぜる。③味噌を加え、混ぜる。