夫の定年後に向けたリフォームを数多く手掛けてきた水越美枝子さん。
「その際、『夫の居場所を』とはよく言われるのですが、同時に妻の居場所も作るべきです。それまで妻が独占的に自由に使ってきたリビングやダイニング、キッチンが、妻だけのものではなくなりますから」
お互いの存在がストレスとならないよう、それぞれの時間、それぞれの空間の確保が必要となる。
「一人になりたい時は一人に。食事やお茶の時間はリビングやダイニングで一緒に過ごす。このくらいの距離が快適です。成功の鍵は、パブリックスペースであるリビングなどには、個人のものを置かないこと。いつもすっきりしていることで、くつろげる共有空間を維持することができます」
それぞれの居場所とくつろげるパブリックスペース。この両方があればお互いに心地よく暮らせる。この知恵、価値観の違いが露呈しやすい40〜50代の夫婦にもおおいに参考になる。