噂の“涙活”を体験してみた!【ストレスを軽くする方法】
文・黒澤 彩
\ 涙友になりました !/
「涙は心の汗」と歌ったのは誰だったか? 感情が込み上げてきて自然と涙を流すことでストレスケアできる“涙活(るいかつ)”が、今盛況だ。
発案者の寺井広樹さんによれば、1カ月にほんの数分でも、能動的に涙を流すことによって心のデトックスになるのだという。
「涙を一粒流すだけで、ストレス解消効果が1週間続くといわれます。タマネギを切ったり、ワサビが辛くて涙が出るのとは別。感情が動いて泣くことが大切です」
では、実際の涙活とはどんなものなのか。「もう7年くらい泣いてません」と話すイラストレーターのsinoさんが、寺井さん考案のプログラムを体験。最初に見る絵本や動画は、いわば肩慣らし。最後に感想を話し合う“涙友タイム”が設けられていて、ここで自分の思いを吐露できることがストレス解消になったとsinoさん。
「間違いなく、ここが涙活の泣きポイント。ただ可哀想だとか、感動的だったということではなくて、自分の心の奥で感じたことを話せるのがいいのかも」
グループでの涙活でも、みんなで見たコンテンツについて、自分はどう感じたかを率直に話すうち、泣いてしまう人が続出するという。寺井さんが主宰するイベントには40人ほどが集まることもあり、この涙友タイムが1時間以上に及ぶこともしばしば。
「泣きのツボは人によって違います。ツボが多い人もいれば少ない人もいて当然。ただ、人は年齢を重ねていくと、それだけ経験が蓄積されますから、共感できるポイントが増えるのだと思います。自分のツボを知って、泣きたいときに泣けるようなコンテンツを手元に持っておくといいですよ」
という寺井さん自身も、毎週末、泣けるコンテンツを見ては号泣することを習慣にしているそう。
しばらく泣いていない人は、自分の泣けるツボを探ってみては。
体験後の感想
凝り固まっていた感情が柔らかくほぐれます。
「仕事でもプライベートでもずっと気を張ってきたので、かれこれ7年泣いていないことに愕然。今日も号泣するのは無理だろうなと思いつつも、まっさらな気持ちで臨みました。最後のセッションで、自分のツボを聞いてもらえたのがよかったですね。必ずしも号泣しなくても大丈夫と思えたのも大きかったのかも。感情をぐーんとストレッチしたような感覚を味わえました」(sinoさん)
sino(しの)さん●イラストレーター。大手飲料メーカーの宣伝部勤務を経てイラストレーターに。書籍、web、広告などで活躍。東京・谷根千のマップガイドサイト「Mon Yanaka」なども主宰。HP「sinoop2」。
寺井広樹(てらい・ひろき)さん●文筆家。「たきびファクトリー」代表。小説、絵本の執筆、映像作品の監修など幅広く手がける。共著に『涙活公式ガイドブック』。涙活の問合せは、Email:info@ruikatsu.comまで。
『クロワッサン』1020号より
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