くらし

【買ってよかったもの】休日に読みたい、心に響く絵本3冊。

クロワッサンのメンバーによる「買ってよかったもの」シリーズ。今回は雨の日にも楽しめる、絵本の話題です。

読書でもしようかなと本屋に立ち寄ったときはいつも、気がついたら「絵本コーナー」にいるわたし。
大人になっても絵本が大好きで、新作が出ると必ずチェックしてしまいます。

今回は、その中でも特にみなさんにも読んでもらいたい、買ってよかった絵本を3冊紹介いたします。

1冊めは「かぶさんとんだ」

「かぶさんとんだ」(五味太郎/福音館書店・ 1985年第一刷発行 )
カブがとんでいます。

色のとり合わせがキレイで、言葉がリズミカルだからページをめくるのがとても楽しい!
五味太郎さんは、小さい子からの絶大な人気を誇る「きんぎょがにげた」の作者で、心をわしづかみにする作品をたくさん世に送り出しています。
その中で選ばせていただいたのが、こちら。

タイトルの通り、野菜のカブが空をとぶ、という内容です。
微笑みながら気持ち良さそうにとぶかぶさん。
なぜとんでいるかは、わかりません。
これといったオチはありません。
でも理由を問うのはナンセンスです。作者も「それから さきは しらないよ」と言っています。
私はこんなに清々しい内容の絵本は他にはないと思います!
絵も愛らしくて、読んだ後、心が軽くなること間違いなしの1冊です。

2冊めは「森の絵本」

「森の絵本」(長田弘、荒井良二/講談社・1999年第一刷発行 )
川のせせらぎが聞こえてきそう。

こちらは長田弘さんの詩と荒井良二さんの絵を合わせた傑作。

とにかく絵がキラキラしている!
眺めているだけで深い森の中にいるような気分に。

詩的な文章で、大切なものは何か、とまっすぐに問いかけてくる、大人の肺腑を衝くような作品です。
読みながら、こどもの頃に遊んだ公園とか、青春時代を過ごした部屋とかを思い出しました。

絵の中に小さな発見がちりばめられているので、こどもならまた違う目線でも楽しんでくれると思います。
そしてその子が大きくなって、10年、20年後にまた読んでほしい。
忘れてはいけない大切な原風景が心によみがえることと思います。

さいごは「あんぱんまん」

「あんぱんまん」(やなせたかし/フレーベル館・1976年第一刷発行 )

いまさらな感じはありますが、この初期の絵本をまだ読んだことがない方は、ぜひ読んでいただきたいです。

こどもって、ほとんどアンパンマン好きですよね。泣いててもアンパンマンを見るとピタッと泣きやんだりしますよね! 魔法使いみたい、と思うほどです。

でも彼は魔法使いではなく、正真正銘のヒーローです。

やなせたかしさんはこの絵本の後書きで、仮面もののヒーローとあんぱんまんを比較して、次のように語っています。

「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。」

言われてみると、絵本の中のあんぱんまんはボロのマントを着て、お世辞にもかっこいいとは言えません。

だけど顔が食べられて半分になっても、笑顔で人を助けます。

こんなに慈悲深いパンがいるでしょうか!

さいごは顔が無くなっても飛んでいます。一度見たら忘れられない絵。

この捨て身の勇気ある行動に、強く心を打たれました。

かっこよすぎます!

お子さんがいる方は、「絵本の読み聞かせ」もいいですよね。

わたし自身、こどもの頃くり返し母が読んでくれた絵本の世界は、まるで自分が体験したことのように身近に覚えています。

目で見た世界と、耳から聞いた言葉の世界が一つになると、より心にきざまれる経験になるのだと思います。どんよりしがちな梅雨の休日にお気に入りの絵本がそばにあると、色鮮やかな情景がパッと広がります。

わたしは、雨の日の休日はのんびり絵本の世界にひたろうと決めています。

みなさんもお気に入りの1冊を見つけてみてください。 
今年の梅雨も晴れやかに乗り切りましょう!(クロワッサン編集部 くろかわ)

くろかわ

『クロワッサン』編集部カメラマン。好きなことは写真を撮ることと、絵を描くことと、お昼にビールを飲むこと。

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