くらし

21_21 DESIGN SIGHTで、『虫展 -デザインのお手本-』を開催。

21_21 DESIGN SIGHTは、7月19日(金) ~11月4日(月・祝)まで『虫展 -デザインのお手本-』を開催する。展覧会ディレクターにはグラフィックデザイナーの佐藤 卓氏、企画監修には虫好きとしても知られる解剖学者の養老孟司氏を迎え、知れば知るほど不思議な虫たちを「デザインのお手本」にする試みになっている。
鈴木啓太「虫の工夫、人の工夫」(イメージ)

自然を映し出す存在である、“虫”。身近にいながら、実はそのほとんどの生態はわかっていない。
虫の色、質感、構造、また習性には、想像をはるかに超える未知の世界が広がっている。
人類よりもずっと長い歴史のなかで進化を続けてきた多様な虫の姿からは、さまざまな 創造の可能性が浮かび上がってくる。

本展覧会は、知れば知るほど不思議な虫たちを「デザインのお手本」にする試みになっている。
会場では、デザイナー、建築家、構造家、アーティストたちが、虫から着想を得たさまざまな作品を展示。小さな身体を支える骨格を人工物に当てはめる、翅(はね)を上手にしまう仕組みをロボットに応用する、幼虫がつくり出す巣の構造を建築に当てはめるなど。

一つの虫をじっくり観察したら、その口、目、脚から驚くような工夫が見つかり、人間が虫と関わってきたなかでつけた名前にはおもしろいルールがあった。
クリエイターが、そして訪れる一人ひとりが、虫の多様性や人間との関係性を通して、デザインの新たな一面を虫から学ぶ展覧会だ。

岡 篤郎+小林真大「M.AO MOTH LAOS」(イメージ)
隈研吾建築都市設計事務所+アラン・バーデン 新作イメージ
隈研吾建築都市設計事務所+江尻憲泰 新作イメージ
隈研吾建築都市設計事務所+佐藤 淳 新作イメージ
小檜山賢二「トビケラの巣」
パーフェクトロン 新作イメージ
パーフェクトロン 新作イメージ
水江未来「inside the cocoon」(イメージ)
村山 誠「Curculio robustus - dorsal, ventral view」(イメージ)
山中俊治 新作イメージ

展覧会ディレクターは佐藤 卓氏、企画監修は養老孟司氏

佐藤 卓 1984年佐藤卓デザイン事務所設立。現株式会社TSDO代表。「ロッテ キシリトールガム」や「明治おいしい牛乳」のパッケージデザイン、「金沢21世紀美術館」、「国立科学博物館」のシンボルマークデザインなどを手掛ける。また、NHK Eテレ「にほんごであそぼ」アートディレクター、 「デザインあ」総合指導、21_21 DESIGN SIGHTディレクター及び館長を務めるなど多岐にわたって活動。
養老孟司 1995年東京大学医学部教授を退官し、東京大学名誉教授に。著書に『からだの見方』(サントリー学芸賞受賞)、『解剖学教室へようこそ』、『唯脳論』、『バカの壁』、 『身体巡礼』、『骸骨巡礼』、『遺言。』など多数。昆虫を通して生命世界を読み解きつつ、「身体の喪失」から来る社会の変化について思索を続けている。 ©️新潮社

『虫展 -デザインのお手本-』
会期:7月19日(金) ~11月4日(月・祝) ※休館日 火曜日(10月22日は開館)
開館時間:10時~19時(入場は18時30分まで)
入館料:一般 1,200円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2(東京都港区赤坂 9-7-6)
TEL:03-3475-2121

[関連イベント]
オープニングトーク「虫はデザインのお手本」
7月21日(日)14時~16時
出演:養老孟司、佐藤 卓
トーク「建築家の巣」
 8月25日(日)14時~16時
出演:隈 研吾、佐藤 卓 ほか
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
この他にも開催期間中、多数のイベントを企画
※参加費・参加方法は、21_21 DESIGN SIGHTウェブサイトをご確認ください。

ディレクターズ・メッセージ
この展覧会は、虫をデザインのお手本ととらえて様々な角度から考察し、そこから得られた情報を元に、これからのデザインの可能性を模索し、作品として展示してみようという試みです。
(中略)
虫の世界はとんでもなく面白い。私はこの展覧会の準備を進めながら、さらにそう思うようになりました。彼らがなんでこんなに永い間、生き延びてこられたのか。それだけをとってみても、そこに人類が生き延びていくためのヒントがあるように思えてなりません。
この度も多くのクリエイターと共に虫に学び、多様な作品を用意いたしました。身の回りにデザインと関わりのない物事は何一つありません。この展覧会を体験していただき、少しでもこれからのデザインのお手本にしていただければ幸いです。
佐藤 卓

虫展に寄せて
大人にとって、虫はどうでもいいもの、バカにされるものの一つです。でも子どもは虫が好きです。自分より小さいから、親近感がわくのかもしれませんね。
でも虫を見る面白さに気が付くと、やがてやめられなくなります。これをヘンだと思う人も多いでしょうね。
でも一度、まさに虚心坦懐(きょしんたんかい)に見てみてくださるといいと思います。とても不思議だと思うようになり、惹きつけられてしまいます。
(中略)
教育を受けていくうちに、子どもたちは考えることは問題を解くことだと思わされてしまいます。でも話は逆じゃないんですか。生きものは三十億年の間に、ありとあらゆる問題に直面しつつ、それを解いて生き延びてきた。その解答が目の前にある。私はそう思うんですね。見ているのは問題集の答えだけです。では問題はなんだったのか。そんなふうに思いながら虫を見てもらえると嬉しいと思います。
養老孟司

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